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2018-05-23

臨床の現場で診察をしていると、究極の選択という場面にはよく遭遇するものだと思います。

思いもかけず、いきなり飼っているペットに重大な病気が見つかるも、本人の状態や年齢のためにリスクが非常に高い治療になってしまう。

そのうえで治療を選択をしないといけない、という経験をお持ちの飼い主様もいらっしゃると思います。

獣医師としてもどれが正解の治療なのかは、結果を見て判断できるわけではないので、飼い主様に提案する方法、提案の仕方など苦慮することよくあります。

それでも最終的には何かしらの方法をとるしかないのですが、どんな選択をしたとしても飼い主様に後悔が残らないようには努めていきたいと思っています。

積極的な治療を進めるべきか、それとも自宅で温和に看取ってあげるべきか・・・今回はこういった永遠のテーマについて書いてみようかと思います。

積極的な治療をした方がいいと思われる状況

どんなものが積極的な治療かというところから考えないといけないとは思いますが、一般的なイメージとして、麻酔をかけて処置もしくは手術をするとか、抗がん剤を使用していくとか、入院させ集中管理が必要だとかそういったものだと思います。

治療費が高額になるというのも一つの要素だと思います。

もちろんその治療の内容だったり、ペットの健康状態や年齢によっても大きく変わっていくものだとは思います。

個人的な意見として積極的な治療を行うべきかどうかは、治療を施さなかった後の時間に動物が苦痛を感じて過ごさないといけない状況になるかどうかだと思います。

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具体例を挙げるのであれば、何らかの理由で胸水がたまるような病気にかかってしまった場合などがその状況にあたると思います。

胸水がたまった動物は通常呼吸困難におちいることがほとんどで、通常の生活のなかでの少し動いただけでとても苦しげな表情を浮かべます。

たとえそのペットが高齢だったとしても、ただ食欲がないとか元気がないとかという状況であればそれを受け入れてもいいかと思います。

ですが、胸水がたまってしまったペットは生きているだけでもかなり辛そうです。

こういった状況では年齢やリスクに関係なく、躊躇せず積極的な治療に進んでもいいのではないかと個人的には思います。

ぼくが飼い主様に治療の選択をご提示させていただく際にはいつもこのことを考えています。

手術をしないと痛みを伴いながら生きていかないといけないのか?抗がん剤を投与しないと苦しみを抱えながら生活しないといけないのか?

治療をしなかった後の生活を必ず想像します。

特にペットが高齢だったり、状態が悪い場合、治療後に今抱えている限界を超えた苦痛が取り除くことが可能な治療なのか?・・ここが一つの判断材料になるかと思います。

あまり積極的な治療をとらない方がいいと思う状況

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極端な話かもしれませんが、どんな治療行為にもリスクはつきものです。

抗生剤やかゆみ止めの薬を飲むだけでも副作用というリスクはありますし、去勢手術をする場合にも全身麻酔というリスクはあります。

ぼくは重篤な病気を患ったペットの治療を行うときに、いつも飼い主様にお話しさせていただいていることがあります。

治療を選択する際に重要なのはそのリスクではなく、治療を乗り越えた後に得られるメリットがリスクに比べた時に、十分あるのかというのが重要だということです。

例えば手術をしないと明日死んでしまうような病気だった場合は、そのペットがどのような状況でも治療を進めるべきだと思います。

リスクはあってもそれを乗り越えた先に平穏な生活が送ることができるという可能性、メリットがあるからです。

それに対し、平均余命を迎えてしまったペットがちょっと元気ないかと思って動物病院に連れて行ったら、思いがけず癌が見つかってしまったときなどが例に挙げられるかもしれません。

その治療として抗がん剤を選択するかどうかという状況であれば、いつもぼくはあまりお勧めしていません。

理由は平均余命をとうに迎えてしまっているので、そこで治療を施したとして、どれほど余命を伸ばせられるかという点で疑問が残るからです。

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抗がん剤を使用したとしても残っている余命は変わりません。

そういった意味では抗がん剤のリスクの割にはメリットが少ないのでは?というのが例えばの話にはなりますが、ぼくの意見です。

繰り返しの文章にはなりますが、考えるべきことはリスクの大きさだけでなく、治療によって得られるメリットがリスク以上のものがあるのかどうか、これが重要だと思います。

メリットが少なければ、治療はあまり色々と進めていくべきではないと思います。

緩和治療と延命治療

積極的な治療を選択しなかった場合、どの治療が緩和療法で、どの治療が延命治療なのか、それで大きく悩まれる飼い主様もいらっしゃいます。

治療を選択して、ペットの苦しむ時間だけが増えてしまうのでは?といったご相談をよく受ける機会があります。

一般的な考えとして、延命治療とは本人に生きているという意識はなく、人工呼吸器や胃ろうなどの医療行為で生かされている状況が延命治療にあたると思います。

ただ実際には緩和と延命の治療の線引きは、飼い主様によってかなり異なります。

状態が落ちてきたペットに皮下補液を行うことも延命治療だと考える方もいらっしゃいます。

可能な限り食事をとらせるため、自宅で経鼻カテーテルをつけ給餌することが緩和療法だと考える飼い主様もいらっしゃいます。

個人的な意見では自宅でできるようなことであれば、それは延命には当たらないのでは?と考えています。

自宅で無理のない行為であれば、施してあげるのがいいと思います。

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まとめ

飼い主様がこういった状況に遭遇した時、治療の選択を悩むことは仕方がないことかと思います。

人間の場合は、医者との相談だけで治療を選択せず、治療を受ける側のメンタルケアも含めたカウンセラーとも相談しながら進めていくような環境も整ってきています。

こういった医療知識の専門家だけではなく、治療を行った、もしくは行わなかった後のケアを行う専門家も今後の獣医療には必要では?と思いながら診察しています。

実際にそのような資格を持って活躍している方もいらっしゃいますが、獣医療のなかではまだ認知度が低い状況です。

もしこの記事を読んでいただいたあと、専門のカウンセラーともご相談したいというご希望がありましたら、ご紹介させていただくこともできます。

お問い合わせだけでも構いませんので、お気兼ねなくご連絡ください。

2018-05-23

よく言われる話なのですが、獣医医療は日に日に進歩しており、治療だけでなく検査の方法も改善され、以前より見つかりにくい病気を検出できる機会が増えてきました。

ただ、たいていの場合は人間の医療を模倣して行っていくので、結果として人間と同じような病気が多く見つかるようになったというのが実情だと思います。

結果的に動物病院ではよくある話なのですが、移る病気でもないのですが、飼い主様と飼っているペットが同じ病気になるという不思議な現象をよく見かけることがあります。

そういった病気の中で、よくみられるのが甲状腺機能低下症という病気です。

今回の記事では甲状腺機能低下症について、また人間と同じところと違うところなどをご説明したいと思います。

甲状腺機能低下症ってどんな病気?

甲状腺機能低下症とは、甲状腺と呼ばれる首ののどぼとけ辺りにあるホルモンを分泌する器官の機能が低下する病気です。

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは全身の代謝をつかさどるホルモンで、ほぼすべての臓器の細胞を刺激しその動きを活発にします。

甲状腺機能低下症はこの甲状腺ホルモンの量が少なくなるため、全身の細胞の生理活性が落ちるため、様々な症状が出てきます。

人間の、特に女性の方でも多い病気で、更年期障害だと思って病院に行ったら実は甲状腺機能低下症だったと診断されるぐらい、典型的な自覚症状はあまりない病気で、別名「橋本病」と言われています。

人間の症状と同様に、食欲減退や倦怠感、肥満傾向になるほか、症状として特徴的なのは、被毛のつやがなくなり脱毛を起こし、また細菌感染を起こしやすくなるので皮膚炎を併発します。

皮膚病の伴わない甲状腺機能低下症は存在しない考えている獣医師もいるので、甲状腺機能低下症を患った可能性があるかどうかは、皮膚病の有り無しが一つの目安になると思います。

そのほか、繁殖障害、腸の蠕動運動の障害、神経症状など様々な症状がありますが、あまり一般的ではなく、やはり皮膚病に焦点をあてることがほとんどです。

甲状腺機能低下症の原因と検査方法は?

甲状腺機能低下症の原因は色々なことが言われてはいますが、人間の場合は基本的には膠原病の一種で、自分の免疫系の過剰な働きにより甲状腺が破壊され、機能が低下することによって起こるといわれています。

これは犬でもおおよそ同じと考えられています。

ただし、柴犬やゴールデンレトリバーなどの好発犬種が存在しているので、遺伝的な背景もあると考えられています。

まれに甲状腺に腫瘍が存在していることもあり、その場合は甲状腺があるのどのあたりが大きく膨らんでくるので、もし触って「?」というようなことがあれば一度ご来院ください。

症状は緩慢に進むことが多く、初期段階では困ったことに甲状腺機能低下症を確定診断する方法はありません。

一般的に甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの血中濃度を調べるのですが、個体差が大きく、基準値と呼ばれる値もかなり幅があります。

明らかに甲状腺ホルモンの量が少ない場合は診断がつけやすいのですが、基準値のボーダーライン上の値にになることも多く、割とグレーな感じの診断になることが多いと思います。

またそれまでに使用した薬剤、特にステロイドなどを使用していた場合、見かけ上の値が低くなり、検査をしても異常かどうかを判断するのがより難しくなります。

ですので臨床的には、甲状腺機能低下症と判断された場合、治療を3か月程度続けてみて、明確な改善があるかどうかで、最終的に甲状腺機能低下症だったのかどうか見ていくのが普通です。

治療法は?完治する?

残念ながら一度機能が失われた甲状腺は回復することはないので、不足している甲状腺ホルモンを内服にて投薬していくのが基本的な治療法です。

そのため、甲状腺機能低下症の治療は投薬が一生涯続きますので、投薬が困難な犬に関しては治療が難航するケースもあります。

甲状腺のホルモン剤は数種類あるのですが、ほとんどの場合人間用の甲状腺ホルモン剤を使用していきます。

副作用は?とよく聞かれことがるのですが、人間と犬の甲状腺機能低下症は機能が低下する場所が少し異なるため、主に人間に使用する甲状腺ホルモン剤は副作用が出やすいのですが、犬の場合は副作用はほとんどないと言われています。

個人的な経験則でいえば、副作用は全くないというわけではなく、甲状腺ホルモン剤を適正の量で与えていても、異常行動をとる犬もみられることもあります。

また、過剰な甲状腺ホルモン剤の投与は心疾患を引き起こす可能性があると言われていますのでいずれにしても注意は必要です。

ただ、他の慢性疾患と比べると割と治療のしやすい病気だとは思いますし、甲状腺のホルモン剤もそれほど高価なものではありません。

最近では動物薬としてシロップタイプの甲状腺の薬も販売されるようになり、投薬もしやすくなりました。

毎日の投薬はとても大変だとは思いますが、しっかりと治療をすれば活動性がかなり戻ってくることも多く、2歳ぐらい若返ったような実感も多く感じる思います。

まとめ

どんな病気でも生涯にわたり治療が必要な病気の管理は大変だと思います。

月並みな書き方にはなりますが、セカンドセレクトではできるだけ飼い主様のご負担を抑える形で治療を進めていきます。

もし治療や検査などで何がご不明な点がありました、いつでもお問い合わせください。

2018-05-21

動物は人間と違って自覚症状をしっかりと自分で説明してくれないので、獣医師が見つけにくい病気はいっぱいあります。

聞きなれない病気だと思いますが、アジソン病という少し聞きなれない病気があります。

獣医師として困ったことに、アジソン病の症状は元気がない、食欲がない、震えるといったようなこれといった特徴のない症状があり、外見上から判断することはできません。

下痢などを繰り返し起こす場合もあるのですが、多くの場合は無症状で過ごしていることがほとんどです。

そんなつもりはないのに、動物病院で何気なく検査したらアジソン病かもと言われてしまった飼い主様も多いのではないでしょうか?

今回の記事はそんなちょっと変わったアジソン病についてご説明したいと思います。

そもそもアジソン病って何?

アジソン病は別名で副腎皮質機能低下症と言われます。

副腎とは左右の腎臓の近くの大きな動脈と接する直径5mm程度の小さな臓器です。

副腎は大きさこそ小さいのですが、その役割は非常に重要で体に必要な多くのホルモンを分泌しています。

皆様がよく聞くアドレナリンもこの副腎から分泌されますが、他にも数種類のホルモンが分泌されます。

アジソン病とは、この副腎の外側にある皮質と呼ばれる場所の機能が低下し、特定のホルモンの分泌が低下することによって起こる病気です。

ちなみにこの病気は犬で起こることが一般的で、猫ではほとんど見られません。

アジソン病の症状

アジソン病によって低下するホルモンはコルチコイドと呼ばれるホルモンで、全身のエネルギーの代謝を調節するグルココルチコイドと、全身の血液の循環量を調節するミネラルコルチコイドの2種類があります。

多くの場合ミネラルコルチコイドの分泌量もしくはその両方が低下するケースが圧倒的に多く、アジソン病にかかった犬は全身の血液の循環量が少なってしまいます。

最初のうちはあまり症状は出ません。

下痢が多いとか、震えがあるとか、ちょっと元気がないなどのたわいのない症状が出る程度で、動物病院に来院してたまたま発見されるケースがほとんどです。

ただしアジソン病は急性で重篤に進むケースもあり、そういった場合は極度の循環不全から低血圧性の虚脱を起こしているほか、腎不全が進んでいることもあります。

こういった症状をアジソンクリーゼというのですが、場合によっては致死的にいたるケースもあるため、アジソン病で何かしらの症状が出ている場合は注意が必要だと思います。

アジソン病の検査

たいていの場合は一般的な血液検査を行うことでアジソン病の疑いが出てきます。

アジソン病にかかった犬には特徴的な血液検査のパターンがあります。

とくに電解質と言われるナトリウムの量が非常に少なくなり、カリウムの量が高くなる傾向が多くみられます。

また同時に腎不全、特に尿素窒素と呼ばれる値も高くなることも多く、こういったアジソン病の疑いが高い結果が得られた時に、追加で副腎の機能を調べるためのホルモン検査を行います。

副腎の機能検査方法にはいろいろな方法があるのですが、一般的にはACTH刺激試験という検査を行います。

ACTHとは副腎を刺激するホルモンの名前で、このホルモンにどれくらい副腎が反応するかを調べる検査です。

一般的にはこのホルモン剤を注射で投与し、投与前と投与後1時間後のコルチコイドの量を血液検査で測定します。

副腎皮質の機能が低下している場合は、ACTHに全く反応しないため、これによってはじめてアジソン病の確定診断を行うことができます。

実際の治療は?薬代が高いと聞いたことがあるけれど・・・

残念ながら、アジソン病を根本から治す方法はありません。

ホルモン充填法と言って、足りないホルモンを投薬という形で補ってあげるのが治療法で、毎日副腎皮質のホルモン剤を飲ませることになります。

最初のうちはグルココルチコイドとミネラルコルチコイドの両方を飲ませます。

ちなみにグルココルチコイドとは、一般的に言われているステロイドのことで、長期的に服用すると副作用が出てきますが、ほとんどの場合は最初の1週間から2週間で休薬します。

一方でミネラルコルチコイドは一生涯投薬する必要があり、また副腎皮質の機能低下は病気が判明した後も徐々に進みます。

そのため、1か月に1回程度は血液検査を行い、とくにカリウムと尿素窒素の値に異常が見られた場合はその投薬量を増量する必要があります。

ミネラルコルチコイドは量が増えても副作用が出ることはほとんどありませんが、問題点としては薬自体が高価なので、コストが治療の邪魔をすることがしばしばあります。

したがってセカンドセレクトではある程度症状が安定した後は、ジェネリック製剤を個人輸入で購入していただくことをお勧めしています。

ネット販売で簡単に見つけることが出来ますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。

治療のおいて重要な点

治療において、最も重要な点はストレスを与えないことです。

コルチコイドというホルモンは、別名ストレスホルモンと言って、動物にストレスがかかると病状が悪化することがあります。

獣医の中では有名な話なのですが、アジソン病の犬を安易に預かると、突然死を起こすことがあるぐらい、ストレスには敏感な病気です。

もちろんそんな最悪の状況になるのことは極めてまれなことですが、ペットホテルなどを利用する際には気を付けた方がいいと思います。

まとめ

 

アジソン病はしっかりと治療をすれば天命を全うできる病気です。

その分、毎日薬を与えないといけないとか、定期的に検査を行わないといけないなど、治療は生涯にわたるため、飼い主様にも長期的なご負担が出ると思います。

セカンドセレクトではそういった飼い主様のご負担を少しでも軽減できるようにご協力いたしますので、この記事を読んで「うちの犬もしや?」と思うことがあったらいつでもご相談ください。

2018-05-18

獣医師をやっているとよく思うことがあるのですが、ペットは一番最悪のタイミングで病気になることがよくあります。

人間の子供もそうかもしれないのですが、仕事で手が離せない時、旅行中、その他家庭の用事などなど、病院に連れて行けないようなタイミングで病気になります。

そういうタイミングが悪い時でも、よっぽど状態が悪いのであればすぐさま病院に連れて行くのですが、ちょっとした下痢程度であれば、かわいそうと思いつつ家に置いておくこともあるかもしれません。

そんな時、せめて自宅でできることはないのか?こんな問い合わせがよく病院にはかかってきます。

今回はちょっとした下痢をペットがした・・・でも病院に連れて行けない・・・こんな時に飼い主様がご自宅でできることを説明したいと思います。

そもそも原因によるのですが・・

下痢をした時の対応として、真っ先に思いつくのは絶食にしてみるということです。

単純な下痢であればそれなりの効果があるのですが、症状が重いもしくは慢性的な下痢をしている場合は絶食してもあまり改善が見られないことが普通で、より衰弱を招く可能性もあるので、安易な絶食はやめた方がいいと思います。

また3か月、4か月の幼弱な個体やかなりの恒例の場合、絶食にすることによる弊害もあります。

結論を言えば、下痢をした時に絶食させるのが効果的なのは、若い個体の下痢で、かつ食欲が十分あるときと頭の中に入れていただくといいかと思います。

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嘔吐がある場合、ない場合

下痢を治療するうえで嘔吐があるかどうかは大きなポイントになると思います。

もし嘔吐が多数回あった場合は、基本的に自宅でできることはあまりないので、可能な限り早く受信するべきだと思います。

絶食をさせても衰弱は進みますし、食べさせても結局嘔吐するので、脱水がさらに進むことになります。

せめてできることは、部屋の温度などを整える程度しかできないかと思います。

嘔吐がない場合は半日程度の絶食ののち、通常量の3割程度の食事をとらせるといいと思います。

水は多少制限してもいいと思いますが、5㎏程度のいぬであれば缶ジュースの半分から2/3程度の飲水量にとどめておくほうがよいと思います。

幼弱もしくは高齢の場合

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かなり若い個体、もしくは高齢な場合は基本的に絶食はあまりお勧めしません。

少し下痢があったとしても、食事を少量頻回に分けて与えるべきだと思います。

もし食欲がないのであれば、様子を見るべきではないので、なんとか受診する機会を早急に作っていただくのがいいと思います。

往診を活用しよう!

どうしても動物病院に連れていけない時、そんなときは往診を活用するのもいいと思います。

予定が合えばピンポイントの時間で自宅で治療を受けられることもあります。

動物病院に連れいていきたいけど連れていけない・・・そんな状況はどんな飼い主様でも一度は経験したことはあると思います。

そんな時こそ、選択肢の一つとして往診の動物病院をぜひ考えてみてください。

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2018-05-17

犬の膵炎は動物病院ではよく遭遇する病気の中の1つだと思います。

飼っている犬が突然の食欲不振、吐き気と下痢・・。

病院に行って検査をしたら膵炎と言われ入院での治療を勧められた・・・こんな飼い主様は非常に多いと思います。

また、治ったと思っても同じ様な症状を何回でも再発することもよくあり、多くの飼い主様からご相談を受けます。

困ったことに膵炎には特効薬が存在せず、治療が遅れるとかなり重篤な状態になることもあるのですが、症状が軽く、内服程度で済んでしまうこともあります。

飼い主様としてもどれが正しい治療法なのか迷われる方も多くいらっしゃるので、今回の記事は犬の膵炎についてご説明したいと思います。

膵炎の原因

犬の膵炎は人間の膵炎とよく似ていると言われています。

膵臓はタンパク、脂肪や炭水化物を分解する消化酵素を合成し消化管に分泌するのが役割の一つです。

膵臓は膵管と呼ばれる消化酵素を分泌する管で十二指腸とつながっており、通常は粘膜のバリアでその入り口は守られています。

ただ、何かの原因で炎症が膵管と腸とつながっている部分に起こると、粘膜のバリアが破たんし、消化管の雑菌が膵臓の方へ逆流してしまうため膵炎が発生します。

したがって、基本的に膵炎は勝手に膵臓に炎症が起こるわけではなく、たいていの場合は胃腸炎から始まるケースが多いと思われます。

ただし膵炎はシュナウザーやコリー犬種などの遺伝的に高脂血症の犬種は発生しやすかったり、肥満は膵炎を起こす危険リスクの一つだったりと、色々な要因が絡んでいるのも事実です。

膵炎の症状は?

膵炎は消化器症状から2次的に発生するのがほとんどなので、下痢、嘔吐、食欲不振が見られます。

特に膵炎の症状が強まると、激しい嘔吐がよくみられるので、腹痛のせいでおじぎのポーズと言われる特徴的な座り方をするようになります。

さらに膵臓の炎症が強くなると、膵臓の細胞の中に含まれている消化酵素が膵臓の細胞外に漏出し始めます。

細胞の外に出た消化酵素は膵臓自身を消化しはじめ、さらなる損傷を引き起こします。

この自己消化と呼ばれる病態は、膵臓だけでなく周囲の臓器も損傷しはじめ、細菌感染を伴った腹膜炎を併発します。

細菌性腹膜炎まで進行すると敗血症などを併発し、状態はかなり悪化していきます。

また脱水も強く進むため、腎不全を併発し、場合によっては最悪の状態になることもあります。

検査方法

膵炎は程度にもよるのですが、炎症を強く起こすことが多いので、血液検査で炎症反応を見て推測することが多いと思います。

また、以前であれば外注検査でしか膵炎の値を計測することが出来なかったのですが、最近では簡易的に院内で検査が出来るようになったため、以前に比べると膵炎を特定するのは非常に簡単になりました。

これらは血液検査で行うことが出来る一方で、膵炎の検査の場合、画像診断はあまり有用ではありません。

重度の膵炎によって腹膜炎などを併発している場合はエコー検査で容易に判断することはできるのですが、初期や慢性の膵炎ではレントゲンやエコー検査では診断に至ることはできません。

膵炎になったら治療法は?

正確な意味では膵炎に対する特別な治療はありません。

以前はタンパク分解酵素阻害薬というものを使用していたのですが、最近では確実な効果が見られないため、あまり使用はしなくなりました。

犬の膵炎の場合は、基本的に胃腸炎から2次的に発生するため、抗生剤や制吐剤などによる胃腸炎の治療を行います。

膵炎を起こしていても犬の状態がそれほど悪くなければ、通院による投薬で経過を見ていきます。

ただし、膵炎を併発している場合の胃腸炎はより症状が重くなるため、重度の脱水を起こした場合には、入院管理にて静脈点滴を必要とするケースも多くあります。

入院は嘔吐のコントロールが取れるまで継続することをいつもお勧めしています。

嘔吐がおさまれば、強制的にでも食事をとらせることができるからです。

以前は膵炎の治療中は絶食が基本だったのですが、最近ではできる限り早めに給餌を開始したほうが回復が早いとされています。

その後は治療は血液検査上で炎症反応が落ち着くまで続けていきます。

一度回復しても、慢性的な膵炎を引き起こし、症状に重い、軽いはあるのですが、頻繁に再発することもあります。

治療の内容は症状に合わせて行いますが、慢性の膵炎の場合は内服程度で済むケースがほとんどです。

予防法はあるの?

一般的には低脂肪の食事を与えるのが基本と言われています。

ただ個人的な経験則なのですが、特に膵炎を頻発するような小型犬は割と嗜好性が難しい犬も多く、低脂肪食をあまり食べてくれない場合も多くあります。

そういった犬では、ドッグフードの代わりに、高タンパク低脂肪な鶏肉の胸肉やささみを代用することもありますが、毎日のことですのでなかなかうまくはいきません。

また、胃腸の環境を整えるためのサプリメントなどもあるので、確固たる医学的エビデンスはありませんが、試してみても損はないと思います。

まとめ

膵炎は非常に厄介な病気だと思います。

今までも重篤な膵炎を引き起こしてしまった犬の治療を何度も経験していますが、できる限り早期に治療を開始するのが最も有効な治療だと思います。

元来、犬は人間よりも嘔吐する頻度は多く、生理的な嘔吐も頻繁に見られます。

ただ、単なる嘔吐ではなく、吐いた後に食欲がなくなるとか、下痢が併発しているなどの症状があったら、早めにご来院していただくことをお勧めします。

2018-05-11

早期発見、早期治療という言葉が当たり前のように根づいてきた最近では、健康診断を行うのはいわば当たり前のことになりました。

人間の医療でも人間ドックを行っているところは数多くあり、多岐にわたるサービスを行っています。

一方でペットの場合でも、年に1回の健康診断をしっかり受けさせようとご希望する飼い主様も多くいらっしゃいます。

ただ、人間と異なる点と言えば、当のペットたちは動物病院に連れて行かれることに抵抗し、検査を終えて帰ってくるとぐったりしていることも多くあるのが難点です。

健康診断を行ったら、かえって調子を崩したなんて話も聞きますが、あまり笑えません。

特に猫のような繊細な動物が年をとった場合、こういったストレスなどの負荷は意外と馬鹿にできません。

そこでセカンドセレクトでは、自宅での健康診断をこういった動物たちの飼い主様にお勧めをしています。

今回は実際に老猫を飼われている飼い主様のご自宅にお伺いし、健康診断と検査を行った時の様子をご説明したいと思います。

診察の流れ

まずは体重測定から始まります。

体重の変化から得られる情報は非常に多くあると思います。

特に老猫の場合は、食べているのとは思っていても体重が大きく減少していることもあります。

こういった場合は隠れた疾患があるケースもあるので、より慎重に検査などを進めた方がいいと思います。

体重測定後、一般的な聴診、触診などの検診を行ったあと、ご希望される検査を行います。

検査は何ができる?

何回かこのブログでも触れていますが、レントゲン検査やエコー検査などの画像診断以外はほとんどできます。

ペットを動物病院でなく往診で健康診断を受けたい。何ができるの?

今回の往診では、飼い主様から今までの病歴をお聞きすると、腎不全が過去に診断されたということでした。

色々ご相談させていただいた結果、血液検査、一般尿検査、それと尿中タンパクの測定をおこないました。

腎不全の場合、その行うべき処置は血液検査の値だけでなく、尿中のたんぱく質が多量にでているか、血圧はどうかなどを総合的に判断して行っていきます。

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結果は1週間以内には出そろうので、それを踏まえてまた治療やケアのご相談をする形になります。

おおよその料金など

血液検査は項目にもよるのですが、全身的なスクリーニング検査は11000円です。

また一般尿検査は3000円、尿たんぱく測定も3000円です。

今回は実施しませんでしたが、老猫の病気として甲状腺機能亢進症という病気もあります。

これも血液検査で調べることが出来ます。

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ご費用は13000円です。

ご希望がある飼い主様がいましたら、ぜひご相談ください。

まとめ

健康診断といっても、場合によっては一苦労のことも多いのがペットの検診です。

もちろん往診で行えば完全に負担を軽減できるということではありませんが、移動や待ち時間のストレスは大いに軽減できます。

検査が可能な項目も思っていただいている以上に可能ですので、この記事を読んで少しでもご興味がわいた飼い主様がいらっしゃいましたら、いつでもお気兼ねなくご相談ください。

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2018-05-10

当たり前の話なのですが、犬や猫は髭だけでなく全身が毛におおわれています。

そのため、毛があるせいで人間にはない病気がいっぱいあります。

特に、目の周りには多くの毛が生えているので、目やにや涙によって目頭の毛の色がすぐ変わったり、目やにでガビガビとしたり、とても目立った毛のトラブルになります。

犬の体調にあまり影響が出ないものの、特に毛の色が薄い犬はこういった涙やけが非常に目立つようになり、飼い主様にとっては非常に悩ましい限りです。

今回の記事ではこういった困った涙やけの対応法についてご説明したいと思います。

涙やけの原因は?

 

流涙症の原因は瞼にあるマイボーム腺と呼ばれる涙を分泌する腺が詰まることで起こります。

マイボーム腺が詰まることにより角膜を覆う成分の一つである油性の涙が不足し、正常な涙層が角膜表面に維持できなくなります。

涙層は角膜の表面に油の膜が土台を作り、その上に液性の涙が表層を覆います。

マイボーム腺のつまりにより油膜が不足するため、結果として角膜表面に液性の涙液が保持できなくなり、下の瞼に涙液が過剰に貯留したものが流れてしまい流涙症になります。

涙は時に被毛や皮膚に付着し2次的な感染を起こすため、涙やけが起こる形になります。

原因としてはアレルギーや感染、脂質の代謝異常などがあげられていますが、個人的には食べ物が大きくかかわっていると思います。

特にドッグフードに含まれている脂肪分は、時間がたつと酸化され過酸化物質と呼ばれるものに変化するのですが、この過酸化物質は体にとって非常に有害なものです。

過酸化脂質は人よりも体脂肪の多い犬は非常に影響を与えやすいと言われており、特に骨格の小さい小型犬は非常に多くの悪影響が出ると言われています。

過酸化脂質は口の中に入った時に鼻涙管などを伝わり炎症を起こし、涙やけを著しく悪化させます。

涙やけに困ってらっしゃる飼い主様によくお伝えするのですが、本気で涙やけを治すのであれば2カ月手作りで食事を与えてくださいとアドバイスします。

手作りが完全にすべてのものを除去できるわけではないのですが、新鮮な食材を食べるという意味では、ドッグフードよりも非常に質が高い食事になります。

ただ、非常に手間がかかるため、ほとんどの飼い主様が実行することはできません。

ですので下に代替案をのせておきますので、実践してみるといいと思います。

まずは顔の周りの毛を短くする

多くの犬種で、目の周りの被毛が伸びることで、目を刺激し物理的に涙の量が多くなり、かつ毛が長いために涙が被毛に絡まりやすくなることで、涙やけが悪化します。

こうした場合は目周り、特に鼻先から目の下にかけての被毛を定期的に短くすることをお勧めしますが、飼い主様が自宅で切るのは非常に困難だと思います。

顔周りのお手入は耳爪肛門腺のお手入れの一環として同時に行える処置です。

お気軽にお声がけください。

温罨法、目薬を使用してみる

お湯で濡らしたタオルやレンジで濡らしたタオルを犬の眼にあて、数分温めてから眼のふちを軽くマッサージするとマイボーム腺のつまりが緩くなります。

そうした後に点眼薬や眼軟膏を使用します。

点眼自体も自宅では大変といったお声をたまにお聞きすることもあります。

点眼のさし方やマッサージのやり方も少しコツがあるので、わからない方はぜひスタッフに聞いてみてください。

鼻涙管の洗浄を行う

昔からよく言われるのですが、鼻涙管と言って目から鼻につながる涙を吸収する管があるのですが、その管がつまってしまうと涙やけが多くなると言われています。

あくまでも個人的な経験上の話ですが、鼻涙管を洗浄すると1日、2日はいいのですが、またすぐに元の状態に戻ってしまうことが多いと思います。

そのため最近ではあまり洗浄をすすめる獣医師も少なくなりました。

またほとんどの場合、全身麻酔を必要としますので、もしご希望の方がいらっしゃいましたら、歯石除去などと一緒に行うといいと思います。

逆さマツゲを抜いてみる

逆さマツゲとは、目の周りに生えているマツゲのうちで、眼球を刺激する可能性があるマツゲのことを言います。

シーズーなどの犬種の様に目に見えて太いものもあれば、トイ・プードルなど顕微鏡でないと見えないレベルの細いものまで多様にあります。

もともと涙やけの原因というよりは、角膜に傷をつける大きな原因になりますので、過剰な逆さまつげは抜いてあげた方がいいと思います。

こういった逆さマツゲを抜くと、目頭の管理もしやすくなり、涙やけが改善することもありますので、目にかぶっているマツゲが非常に多いようであれば、定期的なお手入れの一環としてお気軽にお申し付けください。

まとめ

涙やけのケアは、基本的には飼い主様の日常のケアが必要となります。

ただ、飼い主様だけで、目の周りを消毒したり、顔周りの毛を短くしたりすることは難しいことだと思います。

ちょっとしたお手入れだけで病院に行っていいものか迷われる飼い主様もいらっしゃいますが、どんな時でもお気軽にセカンドセレクトをご利用ていただければと思います。

2018-05-08

よく言われれることですが、動物病院は人間の小児科と一緒で、対象となる患者は自分の症状をうまく伝えることが出来ません。

そのため、どこが悪いのかもわからず、飼い主様が悶々とするケースが多いと思います。

そういった病気の中で、飼い主様からのご相談で特に多いのが、逆くしゃみという症状です。

特に小型犬を飼っている飼い主様なら、一度は見たことのある症状かもしれません。

今回の記事ではこの逆くしゃみについてご説明したいと思います。

逆くしゃみとは?

逆くしゃみは便宜上、くしゃみと名がついていますが、本当にくしゃみなのかどうかはよくわかりません。

特にチワワやトイ・プードルなどの小型犬に多くみられます。

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言葉で説明するのは難しいのですが、犬や猫は時に目を半開きにして苦しそうに何かを鼻ですするような症状を見せます。

飼い主様もうまく説明できないので、たいていの場合は動画を使って「こんな感じですか?」と確認することもしばしばです。

よく使う典型的な症状がみられる動画は以下の通りです。

もし同じような症状であれば、それは逆くしゃみだと思います。

逆くしゃみの原因

逆くしゃみの原因は様々です。

気温差があったり、興奮したりした拍子にいきなり発生するような生理的なものがほとんどだと思います。

鼻の構造上、外から大きな異物が入り込むようなことはないのですが、犬歯周辺で起こった歯周炎や犬歯の根が化膿して、鼻腔内に多量の鼻汁が作られることによっておこることもあります。

とにかく、鼻腔内の違和感に対して、犬や猫がそれを取り去ろうとする一連の行動が逆くしゃみになります。

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治療法は?

生理的なものであれば様子を見るしかないと思います。

4,5分様子を見ていると落ち着くことがほとんどですが、突発的に繰り返し起こることもあり、しばしば飼い主様の心配のもとになることもあります。

一方で、歯周病からくる逆くしゃみは最近の感染を起こしているため、軽度であれば点鼻などで対応していきますが、場合によっては抗生剤を長期的に服用したり、犬歯とその周辺の歯を抜歯する必要も出てきます。

特にミニチュアダックスで多いのですが、マズルが長い犬種ではそういった感染から出る膿が鼻腔内に停滞しやすく、蓄膿症を引き起こすケースもあり、治療の反応性も非常に悪いことが多いと思います。

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こういった犬種ではさらに症状が進むと、喉の方に垂れてきた鼻水を誤嚥してしまい、肺炎を起こすケースもあります。

体力が十分であり、麻酔のリスクも低い症例であれば、CTとMRIを同時に使用し、鼻腔内の腫瘍や蓄膿の有無を確認し、治療に入ることもあります。

特に短頭種は鼻腔の腫瘍が多いため、画像診断は積極的に行ってもいいかもしれません。

ただ、いづれにせよ、症状が重い場合の有効な治療法はあまりなく、投薬を続けて様子を見ていくことになります。

まとめ

逆くしゃみのほとんどが様子を見ていいものです。

ですが、その見た目の症状は、「本当に大丈夫?」と確認したくなるようなものだだと思います。

大丈夫だと思っていても確認をしておきたければ・・・いつでもお気軽にご来院ください。https://www.youtube.com/watch?v=9hefQIi1Bck

2018-05-08

犬や猫にも人間と同じような病気はいっぱいあります。

特に食生活や環境の変化や寿命が延びたことで、今までのペットではあまり見られなかった病気も最近ではよく診察するようになりました。

こういったペットの病気に対し、獣医学は人の医学を真似して治療を行うことがほとんどなのですが、治療する相手は人間でなく動物なので、完全に真似することはできません。

ですので、人と同じ病名、同じ薬を使用するとしても、治療法が大きく異なる病気はたくさんあります。

糖尿病はその代表格だと僕は思います。

この記事では、人間ではなく犬や猫がの糖尿病にかかった時の治療やコスト、またケアの仕方をご説明したいと思います。

そもそも糖尿病って?

ぼくは診察中に飼い主様にご説明をしないといけない病気の中でも、糖尿病は説明をすることが難しい病気だと思っています。

糖尿病はほぼすべての飼い主様がご存知の病気なのですが、一般的に知られている糖尿病の情報量が実際にはかなり少ないのというのがその理由です。

糖尿病は血糖値を下げるインスリンというホルモンが少なくなるもしくはインスリンが細胞に作用することができなくなることによって、高血糖の状態が続くことから始まります。

高血糖が持続すると尿に糖が混じるようになりますが、尿に糖が混じることで体に不具合を起こすことはありません。

血糖値が高い状態が続くと心筋梗塞、動脈硬化、白内障そのほか色々な病気の原因となりますが、血糖値が高くなったからと言ってすぐに健康に影響が出ることはありません。

たとえば健康な猫でもちょっとし緊張しただけでもすぐ血糖値が上がり、尿に糖が混じりますが特に治療は必要ありません。

ぼくは飼い主様にご説明するときに気をつけて説明ことは、「糖尿病は血糖値が上がる病気ではなく、糖尿病は体の代謝がめちゃめちゃになる病気です」という話は何回も行います。

どういうことか言うと、糖尿病によって血糖値が高くなるのは症状の一つであって、実際には体のいたるところのバランスが崩れることによってさまざまな異常がでる病気が糖尿病なのです。

糖尿病の状態が長期間続き、ある一定のレベルを超えると突然自覚症状が現れます。

最初の段階では水を多く飲んで、尿の量が異常に多くなることから始まるのですが、症状が進むと重度の脱水による腎臓などの機能不全、また脂肪の異常な代謝が目立つようになり、ケトンとよばれる非常に毒性の高い物質の蓄積がおこります。

このころから体重の減少が目立つようになり、脱水による虚脱感やケトンによる肝臓障害による食欲不振がおこります。

また最終的には神経が侵され昏睡状態に陥ることもあり、最悪の場合は致死的な状況に陥ります。

ですので、糖尿病を治療する上では、どれくらい重度の脱水が起こっているのか、「ケトン」が体の中で蓄積されているのかどうかが、入院が必要か、通院なのか、経過観察のみで済むのか決定する上での大きなポイントになります。

糖尿病の初期治療の流れとかかる料金は?

糖尿病を患った人、犬、猫の体内では、インスリンが枯渇しているので、インスリンを投薬する必要があるのですが、インスリンを入れられる状態なのかどうかを評価するとことから始まります。

ただ血糖値が高いだけであればあまり問題はないのですが、高血糖は自覚症状に乏しいため、人間と違いどうしても犬や猫は糖尿病の発見が遅れることがほとんどです。

大抵の場合は、重度の脱水とケトンの蓄積、それによる腎不全など様々な症状が併発しています。

こういった動物にインスリンを使用するとかえって循環機能に負担を与えてしまうため、まずはインスリンが使用できる状態になるまで治療を行います。

一般的には入院をさせ静脈点滴を施し、ある十分脱水を改善させてからインスリンの治療に入ります。

この際の治療の目的は、脱水の改善、代謝の改善、そしてケトンの完全排泄ですが、犬と猫で少し治療の進め方が異なります。

犬は割と血糖値がかなり下がるまでインスリンをしっかり投薬していくのですが、猫の場合は血糖値をそれほど重要視しません。

どちらかと言えば、体の体液バランスを重視し、インスリンの投薬はかなり緩やかに行います。

実際にこういった治療を施す時には、1時間単位で血液検査を行っていくことも多く、24時間の集中管理が必要になります。

したがって入院管理になるのが一般的なのですが、ご費用の方はそれなりに高額になります。

例えば猫や小型犬であれば、通常のホテルの預かりであれば1日3000円程度ですし、治療が加わったとしても1日10000円程度です。

ただし糖尿病の場合は、こういった入院費に加えて検査費用が他の疾患よりもかかることが多いので、1日20000円程度かかることも多くあります。

入院はおおよそケトンが尿に混じらなくなるまで継続するので、おおよそ3日~1週間程度かかることがほとんどです。

こうした治療ののち、実際に糖尿病を管理する治療に入ります。

糖尿病の自宅での治療とその料金

食欲や元気がある程度戻ってきたらいよいよご自宅でインスリンを投薬することになります。

インスリンは、その作用する時間によって種類が分けられており、2,3時間ぐらいの間しか効果が持続しないタイプや12時間以上持続するタイプ、その中間のものがあります。

基本的には注射薬がほとんどで、経口薬は一般的ではありません。

動物での使用データがあまりにも少ないためです。

ですので、まずは飼い主様にインスリンの注射の打ち方をお教えすることから始まります。

ちなみにインスリン自体の薬剤の価格は1か月で3000円~8000円程度、注射器の値段は6000円程度が一般的です。

今では注射の打ち方の動画などはYOUTUBEなどの動画サイトで簡単に見ることが出来るので、インスリンの注射を自宅で犬や猫に行うことは慣れればそれほど難しいことではありません。

ただ、獣医師として糖尿病の説明を飼い主様にする際に難しいなと思うのは、自宅でのインスリンの管理方法が人間とだいぶ異なるからです。

治療の一番の違う点は、インリンを接種する回数が異なります。

人の場合は、非常に短い時間しか作用しないインスリンを中心に計4回注射をして、血糖値を厳密にコントロールします。

人間は犬や猫に比べると寿命がかなり長いため、持続的に継続する高血糖による合併症のリスクが極めて高いからです。

1日4回の注射が必要だったとしても、人間は食事の時間も決まった時間に自発的に食べることができますし、そもそもインスリン自体も自分一人で注射できます。

一方で犬や猫は、飼い主様が治療を行うことになるため、インスリンの投薬は比較的長い時間効果が持続するインスリンを使用し、朝と晩に1日2回接種する方法が一般的です。

この方法では血糖値を厳密にコントロールすることはできず、絶えず高血糖の状態が続きます。

尿検査をすればたいていの場合は尿糖が出ます。

ただ、高血糖は人に比べ寿命の短いペットにとって大きな影響をすぐに与えることがないので、犬や猫のインスリン治療は高血糖には目をつぶり、ケトンの発生を阻止するという治療の方針となります。

またインスリンの投与量はその個体によって大分と異なります。

自宅でのインスリン治療を開始した後は定期的に病院につれてきて血液検査を行い、適切な投与量がきまるまで血糖値を2~3時間おきに計測します。

たいていの場合半日お預かりして検査を進めていきますが、検査代は7000円程度かかります。

初めのうちは2,3日おきで開始し、だんだんと間隔をあけていきます。

最終的には1か月に1度程度まで検査の間隔をあけていきます。

インスリンの投薬量は一度決定されたとしても、その後も変動することがあるからです。

未避妊の犬の場合は発情の周期によってかなりインスリンの感受性に差が出てくることも多く、特に猫の場合はインスリンを使用しなくてもいい状態になることもあります。

インスリンの治療中は過剰なインスリンによる低血糖が引き起こされるということが、最も避けるべき弊害になるので、主に低血糖になっていないのかを調べるのが主な目的となります。

高血糖に比べ、低血糖はいきなり致死的な状態に陥ることがあるからです。

また、こういった検査で高血糖が随時見られたとしても、普段の生活が調子よく過ごしているように見られるのであれば、あまりインスリンは増量しません。

普段の食生活や生活習慣は整えないといけない?

食事の内容は一般的には低脂肪、高繊維の食事が理想的だと言われています。

膵臓に与える影響も少なく、また繊維が多い食事は消化・吸収が非常に緩やかなため、血糖値の上昇が緩やかだと考えられているからです。

特に猫の場合は、人間や犬と異なり純肉食動物なので、高タンパク、低脂肪、低炭水化物の食事が理想とされています。

こういった食事は獣医師から処方される療法食が望ましいのだとは思いますが、嗜好性がかなり落ちるためなかなか食べてくれないことも多いと思います。

経験上、糖尿病を起こしている犬や猫は、もともと嗜好性に敏感な個体が多いので、食事療法は破たんするケースが多くみられます。

個人的には飼い主様の負担を考えるのであれば、毎日の注射だけでもかなり大変だと思うので、食事ぐらいは楽しても・・とは思っています。

手作りなどで頑張ろうという飼い主様もたまにいらっしゃいます。

そういった飼い主様にもセカンドセレクトではアドバイスさせていただいていますので、お気兼ねなくご質問ください。

また、「インスリンは必ず決まった時間に注射しないといけない?」とよく質問を受けます。

理想は12時間おきに決まった時間で行うのですが、ぼくはいつも飼い主様の都合に合わせていいとお伝えしています。

不規則にしか注射が打てないのであればそのようにインスリンを調整していきますし、極端な話、調子がよければ1日ぐらいインスリンが打てなかったとしてもどうにかなることはほとんどありません。

ですので、できれば普段の生活はできる限りストレスを抱え込まず、過剰な使命感は持たず、気楽に糖尿病の管理をご自宅でして頂ければと思います。

まとめ

人間の場合でも糖尿病はかなり大変な病気です。

ましてやペットは治療にいつでも協力的ではありません。

ぼくたち獣医師はそういった飼い主様にかかる負担の代わりをしてあげることはあまりできませんが、できる限りのご協力は惜しみませんので、なんでもお気軽にご相談して頂ければと思います。

2018-05-06

猫の病気の中でもメジャーな病気の一つとして、腎不全があげられます。

ほとんどの猫が高齢になると、腎臓の機能が低下し、食欲不振、吐き気、などを引き起こします。

動物病院に来院する猫の病気の中でも割合としては非常に多く、獣医師用の腎不全のガイドラインも確立されていますが、残念ながら完全な治癒はありません。

この記事ではそんな猫の慢性腎不全についてご説明したいと思います。

猫はなぜ腎不全になりやすい?

よく聞く話ですが、腎臓は一度悪くなるとよくならないということが言われます。

その一方で、腎臓は片方なくなっても大丈夫という話も聞きます。

一見相反するような話ですが、実際どちらも間違った話ではありません。

飼い主様のほとんどの方が知っている通り、腎臓は尿を生成する臓器ですが、正確に表現すると尿を濃縮する臓器です。

血液から濾されて腎臓に受け渡された多量の水分と体内中の様々な物質は、必要なものを再吸収され、不必要なものは体外に出すということを、分子レベルで行われています。

これを人間が機械でこれを行おうとすると、とんでもない大掛かりな機械になってしまうところを、卵よりも一回り小さいぐらいの大きさで簡単に行ってしまうのです。

実際には腎臓は小さな腎臓(ネフロンと呼ばれます)が無数に集まって腎臓という臓器を形作っており、その小さな腎臓のひとつひとつで尿は毎日毎日24時間作られて集められています。

このとても小さな腎臓は、先ほども書いた通り、とてつもなくち密な機能を持っているため、何かの理由で一度壊れてしまうと再生はしません。

壊れれしまった小さな腎臓は他の細胞に置き換わってしまい、ち密な機能は失われてしまします。

これは体にとっては非常に致命的な問題です。

体の重要な役割をしている腎臓が再生できないとすると、ちょっとしたことですぐに腎不全が引き起こされ、生命の危機となるからです。

そこで進化の過程で、腎臓は小さな腎臓をもとからかなり余分に持つという形で、そのリスクを軽減するという方法を取ることで、その欠陥を補うことができるようにになったのです。

これが腎臓は片方なくなっても大丈夫と言われる所以であり、小さな腎臓を100%の個数持っている腎臓も、50%失ってしまった腎臓も、尿を生成する能力は同等に維持されます。

これを腎臓の「予備機能」といって、実際には70%程度まで失われていても、機能は変わらないと言われています。

この小さな腎臓の数は動物種によって異なり、人間の場合は片方の腎臓に100万個、犬の場合は60万個存在するとされています。

一方で猫の場合は40万個しか存在せず、腎臓の持っている予備機能そのものがほかの動物種に比べると少ないのが腎不全になりやすい理由とされています。

また、その小さな腎臓であるネフロンは腎臓の外側にあるのですが、その位置によっても障害が受けやすい場所とそうでない場所があり、猫の場合はそのほとんどが、非常に傷害の受けやすい場所にあることがわかっています。

ネフロンの受ける障害は、日々の生活で蓄積されていくものであり、年齢とともに自然と予備機能は失われていきます。

結果として、猫は加齢により腎不全になる確率が高くなるため、3頭に1頭は腎不全になると言われています。

検査の方法は?

一般的な検査方法としては、血液検査があげられます。

尿素窒素、クレアチニンといったものが代表的な項目になりますが、カリウムやリンの血液中の濃度や貧血を起こすこともあるので血球検査を行うこともあります。

最近ではSDMA(対称性ジメチルアルギニン)と言われるより感度の高い項目もルーチンで調べることもできるようになりました。

また、尿検査も腎不全を起こした際、もしくは起こしている可能性がある場合は実施するべき検査となります。

主に尿の濃さとタンパクの量を計測します。

これらの値は、場合によっては血液検査よりも感度が高い検査になることもあるので同時に行うのが理想だと思います。

レントゲンやエコー検査などの画像診断も定期的に行った方がいいと思います。

頻度はその猫の症状によってなのですが、初回にはできれば実施したほうがいいと思います。

もし腎不全になってしまったら?

最初にも説明しましたが、腎臓は一度機能が失われるとその機能は2度と復活しません。

したがって治療の目的は主に腎不全の進行を遅らせ、何かしらの症状が出ている場合はそれを緩和することが最大の目的です。

腎不全は初期の場合、ほとんどその症状はわかりません。

特に猫の場合はかなり症状が進行しなければ気づかないことも多く、またそれほど頻繁に動物病院に連れて行くこともあまりないので、発見がしばしば遅れるケースもあります。

理想としては血液検査上で異常が認められるようになったら、処方食を開始することが推奨されていますが、なかなか猫の嗜好性にかなった処方食は見つかりにくいと思います。

これは猫の特性でもあるので、食事療法に関してはあまり無理をしないほうがいいと思います。

また尿にタンパクが見られるようになると、先ほど説明した小さな腎臓にたんぱく質が付着し、さらに炎症と破壊が進んでしまうため、そういったものから腎臓を保護する薬を服用したほうがいいと思います。

こういった薬は液体の猫用のものあるため、昔に比べればまだ投薬しやすいと思いますが、猫によっては困難なケースもあるので、それほど無理をしなくてもいいと思います。

少し調べれば猫の治療に関してはガイドラインに合わせ、色々やるべきことがありそうな感じに思えますが、結局のところ相手が猫なので、猫に合わせて行うしかないのではと個人的には思います。

以前、当院の往診用のブログの記事で、猫の腎不全の治療について書いていますので、もしよければ参考にしてみてください。

【とある往診風景】腎不全の高齢猫。往診動物病院でのケアってどんな感じになるの?

また補助的に食事中のリンを吸着するサプリメントも可能なら行ったほうがいいと思います。

過剰なリンの摂取は腎不全を悪化させることがわかっているからです。

活性炭による吸着剤も古典的なサプリメントにはなりますが、始めやすく、副作用がない点では気軽に始めらると思います。

腎不全が進行し、いよいよ食欲不振や嘔吐が目立つようになったら、積極的な緩和療法を始めてもいいと思います。

腎不全が進行すると脱水が顕著に見られるようになるので、皮下補液、皮下点滴といった方法で背中にある程度の水分を含んだ注射を定期的に行います。

個人的には慢性の腎不全を起こした猫に入院などの処置はお勧めしていません。

完治というものがないため、できる限りストレスのない自宅でできることをしていただいた方が、結果的に良い方向に進むことが圧倒的に多いからです。

また、慢性的な胃炎や便秘もおこしがちなので、こういった併発するような症状が出た場合には、ある程度は積極的に治療を行った方がいいと思います。

もし通院に何らかのストレスを感じているようであれば、当院では往診も行っていますので、お気兼ねなくご相談ください。

まとめ

猫にとって腎不全は老衰とほぼ同義だと思います。

他の病気に比べると、あまり顕著な臨床症状が出ることなく、だんだんと衰えていくからです。

それでも何とかあがらっていきたいのも本音のところだと思います。

早期発見のための検査から実際の治療まで、ご質問などあれば何なりとおっしゃってください。

2018-05-04

普段診察をしているとよく聞かれるご質問となのですが、「いつからドッグフードはシニア用にしたらいいのですか?」と悩まれているかたが多くいらっしゃいます。

ぼくが獣医師になったころよりも、今のドッグフードは非常に細分化されるようになりました。

皮膚用、泌尿器用などの疾患の物は昔からありましたが、チワワ用、大型犬用などの犬種別、最近では無添加や国産にこだわったドッグフードも多くみられるようになりました。

そんななかでも昔から変わらないのが、年齢に合わせて栄養面を調整した世代別ドッグフードです。

特に飼っている犬が年をとってきた時には、多くの飼い主様がより健康を維持できるようなドッグフードを考えていらっしゃると思います。

今回は多くのシニア犬を診てきた往診医の意見として、シニア用ドッグフードの選び方のヒントをご説明したいと思います。

いつからシニア用のドッグフードに変えるべき?

実際、いつからシニア?という質問はよく受けます。

犬と一言に行っても犬種によって寿命も違うので、横一列に何歳からシニアとは言い難いと思います。

一般的な話で言えば8歳ぐらいからがシニアにあたるとされていますが、個体差も多く、また犬種も一昔前より多様化しているので、一概には8歳とは言えないのが最近の傾向です。

ぼくはよく診察の中では、目の周りや口角に白い毛が目立つようになったらシニアと考えて下さいとアドバイスさせていただいています。

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したがってシニア用のフードも、白い毛が目立つようになったら考えたほうがいいと思います。

どんなドッグフードがいいのか?

一般的なシニア用のドッグフードのコンセプトとしては、通常の成犬用の食事よりもたんぱく質の含有量を10~20%程度少なくし、その分炭水化物の量を増やしていることがほとんどです。

また塩分の含有量も控えており、正直嗜好性としてはやや落ちる感は否めないと思います。

こういった食事は、シニア用と名をうっていなくても、腎臓をケアするような処方食やアレルギー用の食事でも同じような配合で調整させていることも多いので、市販の物よりも獣医師用処方食を好まれる場合には参考にしてみてください。

ただ、正直な話、最近ではどこのドッグフードメーカーもかなり改良されているので、一般的なドッグフードにはほとんど差はないと思います。

ちなみにグルコサミン配合とかコンドロイチン、コラーゲン配合など書かれている場合もありますが、医療的には全く意味がないと考えられています。

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ちょっとした工夫

個人的にはシニアに与えるドッグフードは、種類よりも保存方法にこだわった方がいいと思っています。

ドッグフード、特にドライフードは乾燥している分、長期的な保存が可能になるのですが、時間がたつとやはり成分はどんどん劣化します。

特にドッグフードの中に含まれている脂肪分は、時間がたつと酸素と結合し酸化し、過酸化脂質と呼ばれるもの似変化します。

過酸化脂質は、細胞を損傷させ、異常な生理活性を引き起こすと言われており、腫瘍の原因やアレルギーなどの免疫異常を引き起こすと言われています。

犬は皮下脂肪も多く、この過酸化脂質が非常に体内に沈着しやすいと考えられており、とくに免疫力が低下している老犬には多くの影響を与える可能性があります。

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したがって、ドッグフードは絶えず新鮮なものを与えるように努力していただくようにいつもアドバイスさせていただいています。

具体的には大袋ではなく、小さいサイズのものを購入するとか、もともと小袋に分かれているものを選ぶとよいと思います。

また、大袋で購入した場合は、先に密閉できるような容器に小分けして保存したほうがいいと思います。

食品用シリカゲルなども簡単にネットで購入できるので、そういったものを利用するとさらにいいと思います。

食欲も落ちてきて、体重もやせ始めたら?

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シニア食は基本的に成分の制限食です。

食事の摂取量が減った犬に、さらに成分調整されたものをあたえると、なおさら接種不足に陥ります。

したがって食べるものを与えるやり方が、個人的にはお勧めしています。

細かい栄養というよりは、できる限り体重が維持できるように工夫するべきだと思うので、食事の制限は一切しないほうがいいと思います。

まとめ

考えだしたらきりがないものの一つがドッグフード選びです。

ですが、毎日のことですので、簡易的に入手できかつ給餌もできるものがいいと思います。

もしドッグフードで何かお困りのことがあったら・・いつでもお気軽のご相談してください!!

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2018-04-28

あまり考えたくはありませんが、どの生き物もスピードに違いはあったとしても年をとり衰えていくもの。

ペットは人よりも寿命が短いため、老いはあっという間にくるような感覚になります。

犬のような4つ足の動物が高齢になると、前肢後肢とも同時に衰えるのでなく、後肢の衰えの方が目立って進みます。

したがって、高齢の犬のリハビリとしては、後肢を中心にして行うと、結果的に前肢のリハビリになることもよくあります。

【往診動物病院が提案】飼っている犬が年をとってきて、後ろ足がおぼつかない時の自宅での普段のケアの仕方。

【往診動物病院が提案】後ろ足がよろよろする老犬にやってあげられること。

今回はそんなとある老犬の往診風景とリハビリ風景をご紹介したいと思います。

診察の流れ

まずは通常通り予約を取っていただく形になります。

往診ですので、当然ご自宅にお伺いいたします。

診察は通常の診察と同様に、入念に検診を行った後に処置に入ります。

大抵は獣医師1人だけでなく、看護師と同行して診察を行いますので、後肢が立たないような犬でも安心して診察を受けることが出来ると思います。

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マッサージについて

今回ご紹介している写真の犬はかなりの高齢犬です。

他にもいろいろ疾患を持っているのですが、最近の悩みの一つとして後ろ足がだんだんと利かなくなり、一人で立てないことも多く、起き上がれない時にひどく鳴いて人を呼ぶということでした。

まずは全身のリンパの流れに沿ってリンパマッサージを行います。

リンパマッサージは飼い主様でも簡単にできるリハビリマッサージの一つだと思います。

頭の方からお尻の方に、足のつけ根から足先の方にむかって優しく皮膚の表層をなでていきます。

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そのあとに、後肢の末端を刺激するマッサージを行います。

足を屈伸させてマッサージするのではなく、末端を刺激して自力で足をひかせるような運動がより効果的だと思います。

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ご料金に関しては500円~10000円と程度に分かれていますが、今回の飼い主様はご自宅でもおおよそやって頂いているので、マッサージのご料金は1回500円でした。

鍼治療は?

鍼治療もこういった高齢の犬には非常に負担なくできる効果的な治療だと思います。

ほとんどの飼い主様がご存知だと思いますが、体にあるツボに鍼をさして刺激します。

セカンドセレクトでは電鍼と呼ばれる方法をとっており、つぼに刺した鍼に微量な電気を流しより効果的につぼに刺激を与えます。

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これを1セット1回10分で行っており、1セット3000円となります。

初めの1,2回で効果が出ることもありますが、大体週1回のペースで1か月ほど続けて経過を見ていただければと思っています。

まとめ

ご自宅でのリハビリをする際の最も重要なアドバイスとしては無理をしないこと、頑張りすぎないことです。

あまりにも当たり前の話なのですが、犬はリハビリに協力的ではありません。

老犬のリハビリは終わりがありません。

そして、やってよかった感があまりないことが多いと思います。

リハビリをやった、やらないでの比較対象がないのと、リハビリをどんなにしっかりと行ったとしても体力の低下、筋量の低下は緩やかに進んでいくからです。

リハビリの方法などは直接セカンドセレクトのスタッフがしっかりとご指導いたしますが、本当にこれだけでいいの?と思うようなものばかりだと思います。

これだけ?と思うようなものでも毎日続けるのは大変なことです。

できる限りのサポートは致しますので、自分の家の犬に衰えを感じたら・・・お気兼ねなくご連絡ください!

2018-04-24

いよいよ春の予防シーズンが到来しました。

どんなに健康な犬でも、この時期だけは動物病院に行かざるを得ないと思います。

ほぼすべての飼い主様がこの時期に動物病院に来院されるので、動物病院内は1年で1番と忙しい時期になります。

結果として診察、会計までの待ち時間もかなりの長時間。

健康な犬でも負担は相当なものだと思いますが、どこかしらに病気を持った犬であればなおさら負担になると思います。

そんな時に検討してもらいたいのが「往診による予防ケア」。

今回はセカンドセレクトが実際に飼い主様のご自宅にお伺いし、フィラリアの予防を行った際のことをご紹介したいと思います。

そもそもフィラリアの予防って?

ほとんどの方がご存知だとは思いますが、フィラリアとは蚊が媒介する寄生虫です。

【犬フィラリア症】知っているようで知らないこの病気。結局どんな病気?

蚊が犬を吸血した際に犬の筋肉にて成長し、血流にのって心臓で成虫になります。

フィラリアの予防薬は正確にはフィラリアが成虫にならないようにする予防薬であり、主に筋肉に寄生してしまったフィラリアの幼虫を退治します。

したがって蚊が発生している翌月まで予防は必要であり、地方によっても予防期間は異なりますが、東京都や埼玉県ではおおよそ4月くらいから12月まで予防が必要だと言われています。

診察の流れ

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まずは触診、聴診などの検診から始まります。

特に異常がなさそうであれば、フィラリアの抗体検査を行います。

しっかり予防をしていれば99.9%問題はないのですが、念のためにフィラリアの感染がないかどうかを確かめます。

フィラリアに感染をしている犬にフィラリアの予防薬を投薬すると、重大な副作用が出る恐れがあるからです。

フィラリアの検査は血液をごく少量必要としますので、採血をいたします。

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もし飼い主様にご希望があれば、採血した血液で一緒に人間と同じような血液検査をすることもできます。

セカンドセレクトでは通常よりもより価格を抑えたご料金で行っていますので、この機会にぜひ健康診断もかねてみてはいかがでしょうか?

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フィラリアの検査は5分程度で完了しますので診察が終わるころには結果もお渡しできます。

フィラリアの予防薬はどれも1か月に1回投薬するタイプですので、あとは飼い主様が投薬していくことになります。

料金について

予防薬はいろいろな種類があり、体重によっても値段は大幅に異なります。

セカンドセレクトではほぼすべてのフィラリアのお薬を取り扱っています。

【価格表】フィラリア予防薬

ちなみに、フィラリアの予防薬の料金については、ネットで購入できるものを除いては、すべての日本の動物病院のフィラリア薬の価格はあまり変わりません。

セカンドセレクトでも同様です。

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フィラリア検査のご料金は2000円になります。

また、先ほどご紹介させていただいた血液検査もライトなコースで5500円、割としっかりと調べる検査で7500円程度となります(フィラリア検査込み、消費税別です。)

まとめ

フィラリアの予防は高齢になった犬でもぜひやって頂きたい予防の一つです。

蚊が媒介するため、どんな環境にいても感染する可能性があるからです。

そのリスクに対し、予防は非常に簡易的かつ負担も非常に少ないものだと思います。

ただこの時期に動物病院に行って長時間待つのはちょっと・・・と思っていらっしゃる飼い主様も多くいると思います。

そんな時にはぜひ、セカンドセレクトで往診をご検討していただければと思います。

2018-04-17

猫というのは元来、自分のテリトリーから外に出ることを嫌う動物です。

もし家の外に猫が脱走してしまったとしても、必ずその半径10m以内にとどまっているという話もあります。

少し強引かもしれませんが、猫が安心して入れる自宅から動物病院のような特に他の猫や犬の鳴き声があるような場所に連れて行くのは相当なストレスになります。

病気さえしなければ動物病院に連れいていく機会もないのですが、1年に1回のワクチン接種だけは健康だったとしても動物病院に連れて行かざる得ません。

そんな時に考えていただきたいのが往診によるワクチン接種です。

今回はセカンドセレクトがある猫の飼い主様のご自宅にお伺いし、ワクチン接種を行った往診風景をご紹介します。

往診で行うワクチン接種の利点

ご自宅でワクチン接種を行うことの最大のメリットは、なんといっても動物のストレスを最大限に抑えることが出来るということです。

特に猫のような繊細な動物は、動物病院でワクチンをうつと調子を崩すことも多々あります。

ご自宅で診察を行っても猫に与えるストレスは「0」というわけにはいきませんが、病院に連れてくるよりもかなり穏やかだと、多くの飼い主様からご意見を頂いています。

ちなみにワクチン未接種の場合は、動物病院で他の猫から感染する可能性もあるので、往診でのワクチン接種はなおさら検討していただいた方がいいと思います。

【実際の往診風景】初年度のワクチン接種こそ往診でうけよう!セカンドセレクトからペットを飼い始めた飼い主様へ提案。

診察の流れ

まずはご予約を頂く形になります。

ワクチンは常備してありますので、飼い主様とのご都合が合えばいつでも接種は可能です。

ご料金は初診登録料もしくは再診料が2000円、三種の混合ワクチンが3000円、五種の混合ワクチンが5000円です。

ちなみにどちらの3種と5種とではどちらのワクチンがよいのかと言えば、個人的には家猫であれば3種、外に行く猫であれば5種がいいと思います。

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ご自宅の安心できる場所で行うと言っても、猫は見知らぬ人間にも警戒心が強いことが多くあります。

実際にさぁ診察という時に捕まらないこともあるので、往診でお伺いする前にキャリーケースや洗濯ネットに入れて安静にして頂くと助かります。

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あとは通常通り、全体の身体検査後に得に異常がなければワクチンを接種します。

ワクチン接種証明書はその場で発行します。

セカンドセレクトのワクチン接種証明書には健康診断書もついていますので、何かの際には有効にご利用できるかと思います。

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まとめ

今回のワクチン接種後に飼い主様からお礼のメールをいただきました。

ワクチン接種後もリラックスして過ごしていますとのことでした。

飼い主様から送っていただいたその時の写真ですが、確かにとても穏やかな表情をしています。

猫の飼い主様でもし動物病院に連れて行くことに躊躇されている方がいらっしゃいましたら、ぜひともお気軽にご連絡ください。

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2018-04-09

この時期は犬や猫にとっての伝染病や寄生虫の予防のシーズンです。

かかりつけの病院から色々なDMも届き、そろそろ病院に行かないといけないなぁと思っている飼い主様も多くいらっしゃると思います。

その一方で若いペットでも、うちの犬は散歩に行かないからとか、うちの猫は室内飼いだからという理由で予防接種などを行わない飼い主様も多くいらしゃいます。

特に都心では高層マンションに住んでいるのでという理由で、予防を一切していない飼い主様もいらっしゃいます。

今回は室内飼いのペットには本当にワクチンやフィラリアなどの予防は必要ないのかをテーマに、一獣医師としての記事をご紹介したいと思います。

狂犬病ワクチンは必要ない?

ほとんどの皆様がご存知の通り、犬において狂犬病ワクチンは接種が義務付けられているのですが、その一方で日本には半世紀以上狂犬病の発生はありません。

したがって、狂犬病ワクチンは不要と考える飼い主様も多くいらっしゃいます。

法律上の強制力はないものの、やはり規則として義務付けれらてしまっているので、例外なく狂犬病ワクチンは接種しないといけません。

また、狂犬病ウイルス自体は多くの動物種に感染する恐れがあるので、日本に狂犬病ウイルスが侵入する恐れはあるということをおっしゃっている先生もいらっしゃいます。

・・・実際のところは?と言われれば、室内で飼われている犬だとしても獣医師として狂犬病ワクチン接種は啓蒙せざる得ないのですが、個人的に高齢の犬や何か疾患のある犬では狂犬病猶予書を発行し手続してもらっています。

理由は規則だからというただそれだけのくだらない理由からなのですが、獣医師としても頭の痛い問題です。

https://www.secondselect.vet/1151

混合ワクチンは必要ない?

犬では5種から9種、猫では3種から5種の混合ワクチンが主流です。

こういったワクチンで予防できる病気は、外に行くことがなければ感染する恐れはありません。

ですので、外に出る、どこかに預けるようなことがあるのであればワクチンは接種するべきだと思いますし、そういった機会が全くないのであれ接種する必要性はほぼありません。

無論、糞便にて感染するようなタイプのものは犬や猫の体外でも長時間感染力を持続できるため、そういった糞便がついたものをあやまって自宅に持って帰ってしまい感染・・・というケースも考えられなくはないですが、ほとんどないと思います。

個人的な意見としては室内飼いのみであれば、混合ワクチン接種はそれほど積極的に考えなくてもいいと思います。

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フィラリア予防は必要ない?

犬ではメジャーな予防となりますが、春先から秋にかけての蚊が生息している期間には、蚊から感染するフィラリアの予防薬を月に一回投薬します。

うちの犬は散歩をしないからと言って予防をしない方もいらっしゃいますが、個人的にはお勧めしません。

混合ワクチンで予防できるウイルスは一部のウイルスを除き犬→犬、猫→猫と感染します。

一方フィライリアは犬→蚊→犬と中間生物が入ります。

こういった病原菌を媒介する生き物がいるような病気の各庵を完全に防ぐことは難しく、直接感染よりも感染する可能性は格段に格段に高くなるからです。

また、フィラリアの予防薬の利便性もよく、値段も安いため、感染リスクの割には予防は非常にしやすいというのも、室内飼いの犬でも予防してもらいたい理由です。

ノミやダニの予防は必要ない?

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ノミやダニの予防も基本的には混合ワクチンと一緒です。

人やペットに害を与えるノミやダニは基本的には野外に生息しているため、室内のみの飼育であれば

感染する機会はありません。

人間の衣服について自宅に持ち込むリスクもありますが、極めて低いと思います。

ただもしご自宅に庭がある場合には、庭に飲みやダニが生息している場合もあるため、ノミやダニに感染する機会は増えると思うので、室内飼いとはいえども予防はしたほうがいいと思います。

まとめ

室内のみで飼育しているのかどうかにかかわらず、どんなペットにも感染する機会は「0」ではないですし「100」でもありません。

こういったワクチンや予防薬は健康保険と一緒です。

絶対に病気になることが前提ではなく、万が一病気になったらを考えて保険は加入します。

ワクチンや予防薬も万が一に備えてというものになるので、室内でのみ飼育されていてももし心配であれば、できる限りの予防はしてあげた方がいいと思います。