Horizontal

2018-11-26

ぼくがまだ子供だった頃、よく自分の親からは「食べた後に寝るんじゃない。牛になるよ。」と言われていました。

その一方で、お医者さんはよく子供に「食事をした後に急に体を動かさず、1時間は安静に。」とアドバイスします。

一方は倫理上、もう一方は医学的な見地からの意見なのだとは思いますが、こと獣医師からの意見としては、ペットは食後に過激な運動は避けるべきというのが、だいたいの先生の意見だと思います。

特に大型犬を飼われている飼い主様にとっては、食後の急激な胃拡張を心配され、食後には気を使っている方が多くいらっしゃいます。

また、胃拡張は最近では大型犬だけでなく、割と小型犬、特にミニチュアダックスにもみられる症状で、結局のところすべての犬種で気を付けないといけないと思います。

今回はそんな胃拡張についての対応法などご説明したいと思います。

胃拡張はなぜなる?

胃拡張は一般的には胸の深い大型犬に大型犬に多くみられるとされ、食事を大量に一気にとったり、食後に急激に動いたりするとなるとされています。

確かに特定の大型犬が胃拡張を起こすケースは食後によくみられるのですが、大量にご飯を食べたわけでもなく、運動させていたわけでもないのに突如として発生することが多いと思います。

また、胃拡張は大型犬に限らず、小型犬でもたまにみられ、突然の吐き気があったと思ったら、いきなり元気がなくなるケースも像遇することがあります。

これらの動物たちには何ら原因と思われるような生活様式もなく、調べても基礎疾患がないことが圧倒的に多いと思います。

ただ経験上、ミニチュアダックスでかつ、椎間板ヘルニアの既往歴がある犬に圧倒的に多くみられるため、神経的な問題が何かしら関与している可能性はあると個人的には思っています。

胃拡張になった際の症状

基本的には嘔吐が主訴になります。

普通の嘔吐と異なるのは、外見上から見てもお腹が膨れ上がっていることが容易に見ることができ、また活動性は急速に減退していきます。

このあたりは単純な食欲不振をともなう普通の嘔吐と異なる点で、あきらかにふらつきや横臥、場合によっては苦しそうな呼吸をし、天を見上げるような表情を見せます。

頻回の嘔吐が見られることが通常で、ほぼ胃液のみの液体を大量に突出性に吐き出すような吐き方になります。

治療法は?

多くの場合、胃の内容を抜き取ることが先決とされます。

獣医師によっては体側から胃に向かって太めの針を刺し、胃の内容を吸引することが一般的です。

ただ、内容がガスであれば簡単に抜けるのですが、内容が液体であればなかなか吸引することが困難になります。

胃液とは言いつつも粘調度が非常に高く、通常使用する針の太さでは到底吸引しきれないからです。

セカンドセレクトでは鼻からカテーテルを挿入し、そこから抜くようにしています。

捻転さえ起こしていなければ、簡易的に胃内の内容を抜き取ることができるうえ、針を刺すのと違い胃の粘膜を傷つけることがないからです。

吸引処置を行った後、上部消化管の動きをよくするための薬を使用していきます。

胃拡張を起こした犬の状況が割と安定しているのであれば、通院による皮下注射でも効果はあると思いますが、たいていの場合は状況はかなり悪いため、入院による持続静脈点滴にて投薬をしていくことがほとんどです。

通常であれば2日から3日程度で胃は動き出すことがほとんどで、胃の機能が改善すれば、犬の状態も急速に回復していきます。

手術は必要?

個人的には胃拡張を起こしてから胃捻転さえ起こさなければ手術は不必要と考えています。

大型犬であればまだしも、小型犬であれば捻転する可能性は極めて低いため、あわてて開腹する必要はないと思っています。

ただ、胃拡張の原因が慢性的でかつ内科の治療に反応しない場合は、胃の出口から十二指腸にかけて何かしらの問題が起こっているケースが多いので、その際には全身麻酔下での試験開腹、もしくは内視鏡が必要になります。

まとめ

セカンドセレクトは都内にある動物病院なので、大型犬よりは小型犬の方が多くご来院されます。

ですのでぼく自身が遭遇する胃拡張は小型犬の症例が多く、なかでもミニチュアダックスの胃拡張は近年とても増えていると思います。

もしご自宅で飼われている犬が嘔吐をした後、いつもと様子が違うようであれば・・・いつでもご連絡ください。

2018-11-19

長年動物病院で努めていると、よく聞くフレーズがあります。

「うちの猫はとても臆病なので、動物病院に中々連れていけない。」

「動物病院に連れて行くのが負担になりそう。」

こういった心配ごとをよくお聞きしていたので、セカンドセレクトでは往診を積極的に行っています。

今回の記事では、セカンドセレクトによく依頼される内容、老猫の定期的な健康診断の往診風景をご紹介します。

他の往診風景はこちら

セカンドセレクトが老猫の健康診断してきました。往診で何が検査できるの?

老猫の定期検診は必要?

老猫がかかりやすい病気はいくつかあるのですが、もっとも一般的な病気は腎不全だと思います。

猫の腎不全は初期段階ではあまり自覚症状がなく、特に猫の場合は調子が悪くなるまで飼い主様が気づかないこともよくあります。

ご存知の方も多いと思いますが、腎臓という臓器は一度悪くなると再生ができない臓器なので、早めの段階から対応をしておくと、余命が伸びるケースもよくあります。

また甲状腺疾患なども同様に、飼い主様が病気の存在に気付きにくく、かつ早い段階での対応によって、高齢期の生活の質が向上する病気もいくつかあります。

ですので、セカンドセレクトでは「うちの猫は大丈夫かな?」とは思っていても、1年に1回ぐらいは一通りの検査をお勧め医しています。

今回のご自宅では・・・

とは言いつつも、老猫を動物病院に連れていくのにはかなり抵抗があると思います。

今回お伺いさせていただいた飼い主様もそのような心配をされていらっしゃいました。

もともとセカンドセレクトで定期的に検査をする前から、腎不全、甲状腺機能亢進症、膵炎と猫がかかりやすい病気を多発的に患っていました。

以前は動物病院になくなく連れて行ったり、往診を依頼していても獣医師一人での診察だったりと、飼い主様がうまく抑えることができず大変苦労したとおっしゃっていました。

セカンドセレクトではたいていの場合、獣医師は看護師と同行して往診を行いますので、動物を保定したり、無理な態勢をさせないように負担なく往診治療することが可能です。

今回の診察では全身的なスクリーニング検査、SDMAと言われる腎臓のモニタリング検査、膵特異的リパーゼなど、一般的な動物病院が行う検査と同じ項目を行っています。

検査結果は後日メールで一報を入れたのち、郵送で結果をお伝えする段取りになっています。

往診にかかる費用

セカンドセレクトでは練馬区東大泉から8㎞圏内であれば基本的に往診料はかかりません。

8㎞を具体的に言えば、都内であれば東方向は板橋区、南は池袋あたりまで、西はひばりが丘程度は往診料無料です。

埼玉県も戸田や西川口あたりまでは無料になります。

初診登録料は往診の場合は3000円、再診料は2000円です。

今回行ったような血液検査であれば、

全身スクリーニング検査:11000円

SDMA:3000円

猫膵特異的リパーゼ:7000円

となります。

その他、内服料金や注射料金などもそれほど高額ではないと思います。

例えば甲状腺機能亢進症の内服であれば、一般的な処方量でのご料金は3750円に消費税となります。

まとめ

老猫に医療行為を行う時に一番気を付けないといけないことは、負担をかけないこと、無理をして色々やろうとしないことです。

もちろん往診でご自宅で何かしらを行う際も、負担が0というわけではありません。

ただ多くの飼い主様からは、動物病院に連れていったあとは1日ぐったりしているのに、往診であればそれがないというご意見をよくお聞きするので、やはり負担はかなり少ないのであろうと思っています。

もしご自宅にいる高齢の猫の健康状態を知りたくなったら・・・お気兼ねなくいつでもご相談ください。

 

セカンドセレクトが老猫の健康診断してきました。往診で何が検査できるの?

2018-11-18

100人獣医師がいたら、99人は避妊手術は行った方がいいと言うと思います。

ぼく達獣医師は常に動物病院にいるので、避妊手術をしないで不幸な病気にかかってしまう動物たちをいっぱい見てきています。

もちろん病気にかからなければ動物病院に連れて来る必要はないので、世の中には避妊手術を行っていなくても、病気にならずに天命を全うしている動物たちはいっぱいいると思います。

ネットの中でも避妊手術はするべきとか、しない方がいいとかいろいろな意見があるようですが、避妊手術をしていない動物だけがかかる病気があるのは事実です。

今回はそんな病気の中でもっともよくみられる病気の中の一つ、子宮蓄膿症についてご説明したいと思います。

子宮蓄膿症とは?

子宮の形は動物によって様々ありますが、共通しているのは子宮の入り口には細菌や異物などが簡単に込まないように普段はしっかりと閉じています。

雌性の生殖器の構造は、子宮の入り口と尿道口の入り口が近い場所にあるため、膣内で非常に細菌が繁殖しやすい状況になっているからです。

しかし特に雌犬で多いのですが、繁殖のじきになると、自身の生殖器の免疫力が低下させ、子宮の入り口を広げさせ、精子の受け入れをしやすくする一方で、細菌の侵入も簡単に許すようになってしまう、子宮の中で細菌が繁殖しやすくなります。

子宮蓄膿症は、こういった膣などで繁殖してしまった雑菌が子宮内に侵入し、子宮内部に膿瘍形成する病気です。

写真では左側が通常の子宮の太さで、右側が膿がたまり拡大した子宮になります。

いったん子宮の中で形成された膿瘍は自然治癒は困難で、子宮内の膿瘍から産生される最近の毒素や細菌そのものにより、色々な症状が出てきます。

最初のうちは水を多く飲んだりする程度なのですが、段々と食欲不振が目立つようになったり、下痢や吐き気が出てくるようになります。

陰部から膿性の分泌物が出てくることが多いのですが、出てこない場合もあるので、普通の体調不良と見分けがつかない場合もあります。

無治療でそのままにしておくと、最近が血流にのり全身に回るような敗血症を起こしたり、腎不全を併発したり、子宮自体が脆弱化し腹腔内で破損し、膿が漏れ出すことによる腹膜炎など、激烈な症状が出ることもあり、死に至る可能性がある重大な病気です。

子宮蓄膿症はエコー検査で割と簡単に診断することができるので、特に中高齢の犬や猫が嘔吐したり下痢をしていたら、念のため検査をしておいたほうが無難だと思います。

手術は必要?

手術の手技は子宮と卵巣を摘出するという点では避妊手術と大きな違いはありません。

ただ、子宮自体は大きく膨れ上がっているため、術創自体は避妊手術に比べると非常に大きいものになります。

また一般状態が低下していることも多く、全身麻酔のリスクという点でも、健康な若い個体に行う避妊手術とは大きく異なります。

子宮蓄膿症は高齢な犬や猫でなることが一般的で、飼い主様によってはペットの年齢のため、手術自体を敬遠したがる飼い主様も多くいらっしゃいます。

特に正解がある話ではないのですが、セカンドセレクトでは他の腫瘍を摘出するような手術と違い、子宮蓄膿症の手術に関しては高齢な仔達でもお勧めしています。

理由は、放置をしておけば余命を全うできずなくなる可能性が極めて高い一方で、リスクは色々とあるものの、術後の経過は良好なことが多く、後遺症も残らないため、手術のリスクに比べ得られるメリットが非常に大きいのがその理由です。

また腹膜炎などを併発しいた場合は、動物自体の疼痛が激しく、それを完全に治癒する方法があるのであればぜひともその方法をとってもらいたいというのももう一つの理由です。

セカンドセレクトで手術を行った場合、小型犬であればご費用は全体で15万円程度、入院は3日程度になります。

手術をしなかった場合

手術はお勧めするということを書きましたが、以前いくつかの症例で、手術を選ばなかった飼い主様もいらっしゃいます。

もちろんすぐになくなった仔達は多いのですが、子宮の膿が非常に効率よく陰部から排泄されていたため、子宮内に膿があまり残りにくく、大した症状なく天命を全うした仔も実際に何度か診察させていただいた経験があります。

症例によっては持続的に陰部から膿が出続けてはいるものの、1年2年と変わらず元気に生活していました。

まれなケースなのだとは思いますが、超高齢なペットや何かしらの重大な基礎疾患を持っていた場合には、そういったこともあったということを頭の中に入れておいてください。

まとめ

避妊手術が一般的になり、子宮蓄膿症は以前に比べると少なくなったとは思いますが、いまだに動物病院で行う手術の中ではよく行われる手術の一つだと思います。

もちろんセカンドセレクトでも、予防的な避妊手術は若いころに行うようにお勧めはしていますが、タイミングが合わずずるずると時間ばかりが過ぎることはよくあると思います。

早い仔であれば3,4歳でも子宮に異常が出ることもあるので、飼っているペットに少しでも不安を感じるようであれば、いつでもご相談ください。

2018-11-12

犬や猫の運動性はかなり高く、特に後肢の能力は人間の運動能力をはるかに凌駕するものだと思います。

その分、各関節にかかる負担も大きいので、後肢がいきなりびっこをするというのは日常茶飯事だと思います。

犬や猫の後肢がびっこを引き始めたとき、その原因の大部分は膝関節だと言われています。

特に激しい運動などが原因となり、前十字靭帯を損傷する犬や猫は多くいます。

一方で体幹に近い股関節を受傷するケースは、膝関節に比べると少ないものの、もともと股関節の骨格が悪いとか、年を取って後肢の筋肉が少なくなるとか、肥満気味等の素因があると股関節も傷みやすくなります。

今回は股関節でよくみられる怪我、股関節の脱臼についてご説明したいと思います。

股関節の脱臼はなぜ起こる?

股関節の脱臼は激しい外力によっておこることがほとんどですが、どんな動物でも力が加われば簡単に股関節が脱臼するわけではありません。

股関節は寛骨と呼ばれる腰骨と大腿骨がちょうど臼と杵のようにはまり込んで関節が作られます。

たいていの場合は腰骨側のへこみの部分が浅いために関節の強固な結合が失われている犬に多くみられます。

また、股関節は他の関節と異なり、靭帯によって強固に固定されることなく、筋肉のみで固定されているため、高齢になって筋量が少なくると、ちょっとした外力で簡単に脱臼してしまいます。

セカンドセレクトでの対処法

セカンドセレクトでは、股関節を脱臼した動物が来院した場合、提案としては以下の2つのご提案をさせていただいております。

  1. 脱臼をその場で整復させ、安静にして様子を見ていく
  2. 外科手術(骨頭切除)

①の方法では、小型犬の場合は比較的簡単に整復することができます。

ただ一度股関節の脱臼を起こすと、たびたび再発するのが一般的です。

年齢が高齢もしくは一般状態があまりよくない場合であれば、再脱臼をおこしたらまた整復を試みることがほとんです。

また再発が1年、2年たって起こった場合も、その場での整復をお勧めします。

一方で安静にしていたとしても、すぐに再脱臼してしまうケースもあり、その場合は外科手術をお勧めしております。

骨頭切除という方法は一般的に行われる方法で、大腿骨の杵の頭の部分を切り落とす手術です。

初めて手術の方法を説明された飼い主様のほとんどが、「その方法でまた走れるようになるのか?」とご心配されるますが、小型犬から中型犬であれば予後はとても良好です。

人間のような大型の動物で、ましてや2足歩行の動物は、体重の負荷がとても強く、特に股関節は非常に重要な役目をしているので、切除するという手術はあり得ません。

体重の軽い4つ足歩行の動物は、基本的に体重の負荷が少なく、またもともと股関節は靭帯での固定がされていないので、この方法が成り立ちます。

セカンドセレクトで手術を行う際は、当院ではなく協力していただいている紹介病院にて執刀していただいています。

ご料金は手術費込みでおおよそ20万円ぐらいとのことです。

まとめ

股関節の脱臼は、後肢で起こる外傷の中でもとにかく激しい疼痛が起こります。

緊急手術が必要なケースはほとんどありえませんが、温存療法にしろ外科手術にしろ、できる限り早めに対応してあげたいところです。

セカンドセレクトではいつでも提携病院と連携を取ってできる限りのご対応をしますので、何かあればすぐにご連絡ください。

2018-11-07

奇形という言葉を聞くと、少しドキッとします。

獣医師として長年診察をしていると、まだ年齢が非常に若いのにもかかわらず、明らかに骨格や内臓系に異常が見られることがあります。

それを奇形と言ってしまうと、責任の所在は?ということになりなるからです。

明らかなブリーディングの乱発であれば話は単純なのですが、最近のコンプライアンスの上昇からそういったことはあまり見られなくなりました。

一方で純血種ならではの異常はいまだによくあります。

この場合、だれが悪いの?というと、誰も答えられることはできません。

そういった犬種や猫種を飼うのであれば、それは事前に理解したうえで飼ってくださいというのが大方の意見ですが、それも正直どうなんだろうと個人的には思います。

少し話はそれましたが、今回は近年飼育頭数が増加しているフレンチブルドッグやパグに多くみられる奇形、半側椎弓についてご説明したいと思います。

半側椎弓とは?

椎弓とは背骨の部分名称です。

背骨はいくつかの椎骨と呼ばれる小さな骨が靭帯や関節で結合しています。

ちなみに背骨には頚椎と呼ばれる7つの椎骨と、13個の胸椎、7個の腰椎からなり、計27個の椎骨で背骨が形成されています。

椎弓はこの椎骨の一部分の名称であり、これが変形して椎骨を半側椎弓と呼びます。

レントゲンでみると、正常な椎骨に比べるとつぶれてしまっているように見られます。

なぜ決まった犬種に多い?

椎骨はフレンチブルドッグやパグには一般的によくみられる奇形です。

これらの犬は短頭種と呼ばれ、鼻の短い顔が特徴です。

こういった犬種は元来、軟骨が変形しやすい家系同士を交配させているため、結果として生まれてきた犬が鼻が短くなった犬同士を交配させ、その形質を残していくようにしています。

したがってもともと骨格が変形しやすいため、鼻だけでなく、背骨の方にも影響が出てしまっているのだろうと思います。

同じように骨格が変形しやすい家系を持っているのがダックスフンドですが、ダックスフンドにはほとんど見られません。

また同じように鼻が短いシーズーにもあまり見られません。

フレンチブルドッグやパグに半側椎弓が出やすいのは、結局偶発的な要因が重なっているのでしょう。

治療法とその予後

基本的には目に見える症状はありません。

ただ半側椎弓がある場所は、椎骨同士が安定しにくいため椎間板の変性を起こしやすいため、椎間板ヘルニアなどによって背骨の中を通っている神経に影響を与える可能性はあります。

実際、椎間板ヘルニアを起こしたフレンチブルドッグなどは、MRIで調べるとたいてい椎間板ヘルニアをしている個所は椎骨の安定性が失われていることがほとんどです。

そのため手術をおこなう必要があった場合、通常の椎間板ヘルニアの手術だけでなく、背骨を固定する手術を同時に行う必要があるケースもあります。

この場合、わりと回復に時間のかかるケースが多いので、手術をする際にはよく熟考する必要があります。

ぼく自身もフレンチブルドッグの手術はたびたびおこなったことはありますが、手術自体も色々と大変なのですが、その後のリハビリはかなり大変でした。

ただ、ミニチュアダックスなどに比べると、こういった手術に至るまで重篤になるような症状を引き起こすケースはかなり少なく、半側椎弓があったからと言って必ずしも病気になるわけではありません。

最初に書いた通り、フレンチブルドッグやパグを飼い始めた際には、そういった奇形があるんだろうということだけは頭に留めておいた方がいいと思います。

まとめ

この記事を読んで少し心配になった飼い主様もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には無症状で終わるケースがほとんどです。

もし心配でしたら、健康診断の一環として、レントゲン検査をしておいても損はないとは思いますので、いつでもご相談ください。

2018-11-04

犬や猫の耳は人の耳よりも大きく特徴的な形をしています。

立ち耳だったり垂れ耳だったり、また大きさもまちまちですが、どのような耳でも割と顔の目立つところにあるので、耳の異常は飼い主様でも比較的気づきやすいと思います。

耳は外耳、中耳、内耳に分けられますが、そのうち外耳の異常は動物病院でよくみられる病気です。

今回の記事ではそんな外耳の異常の中でもよく目立つ疾患、「耳血腫」についてご説明したいと思います。

耳血腫とは?その原因

耳血腫とは字の通り、耳にできた血腫です。

耳はたいてい平べったい形をしていて、耳の皮膚と軟骨がすきまなく付着しており、そのわずかな隙間に血管が通っています。

耳血腫はその血管が破損し出血するため、本来であれば隙間のないはずの耳の皮膚と軟骨の隙間に血がたまり、耳がパンと腫れあがるようになります。

血管が破損する原因は外傷やアレルギー的な要因など色々なことが言われていますが、はっきりとしたことはわかっていません。

個人的な意見としては、アトピー体質な動物に多くみられ、特に耳の辺縁の毛が薄い犬や猫に多くみられるので、アレルギーや体温が下がる場所で血管炎が起こるような体質が原因だと考えています。

治療法

治療法は一般的にはステロイドもしくはインターフェロンを使用して腫れが引くのを待つのが一般的です。

耳の皮膚の下の出血はいずれは止まるのですが、耳の皮膚と軟骨の間のすきまはなかなか埋まらないため、炎症性の漿液が貯留し、なかなか腫れは引きません。

ステロイドやインターフェロンは止血をするというよりは、こういった炎症を抑える効果を期待して投与していきます。

ステロイドを使用する際は、2,3日おきに溜まってくる液体を吸引しながらステロイドを服用していきます。

だいたい2週間ぐらいで液体はたまらなくなります。

インターフェロンは2日に1回膨らんでいる耳の皮膚の下に注射していきます。

こちらも約2週間ほどかかります。

どちらの方が治癒率がいいかは、症例によってだとは思いますが、どちらの方法にせよ、頻回の通院が必要になります。

ただし、症例の中にはこういった内科療法に反応しないこともあり、そういった場合はいよいよ手術ということになります。

手術は必要?

手術は非常に簡易的に行うことが出来ます。

耳の皮膚に5㎜大ほどの穴を数か所開け排液を促し、皮膚と軟骨を縫い合わせ隙間を埋める手術が一般的な方法です。

この場合、耳の軟骨も消失することが多く、立ち耳の犬だった場合は術後折れ曲がってしまい、ちゃんと立たなくなることもあります。

また、片耳に耳血腫が見られた場合、反対側にも発生することはよくみられるため、その都度投薬により治療をしていくか、外科的な方法を取り入れるか相談しながら進めていきます。

まとめ

耳血腫が起こったとしても、自覚症状はあまりなく、ましてや命に係わる病気でもありません。

ただ目立つ場所にあるため、見た目は耳が腫れあがって痛々しい感じになります。

セカンドセレクトでは内科的な方法でも外科的な方法でもどちらでもご対応できますので、飼っているペットの耳が腫れていることに気づいたら、いつでもご連絡ください。

2018-11-02

多くの犬は年を取ってくると段々と後ろ足の力が弱くなってきます。

もちろん椎間板ヘルニアやその他の脊椎疾患を患っていると、その症状はさらに顕著になります。

こういった年齢からくる症状は完全に治すことはできませんが、それでも進行を遅らせることはできると思います。

「アンチエージング」という言葉が一般的になってきた最近では、様々なペットのアンチエージングの話題がネットでも見られるようになりました。

今回ご紹介させていただく記事は、往診にての鍼・リハビリの様子です。

もし同じような高齢犬がご自宅で飼われている飼い主様がいらっしゃいましたら、お気兼ねなくご質問ください。

自宅でできるリハビリケア

自宅でできるリハビリケアと言っても、何も難しいことはありません。

まだ歩けるようであれば、リードを短く持ってゆっくり歩かせることです。

歩行が困難であれば、できるだけ起立訓練を行うのが良いと思います。

ただ足がひっくり返った状態ではリハビリの効果は少なくなります。

IMG_0155

できる限り足の裏が地面に接地しているように起立するのがコツです。

IMG_0154

飼い主様が保持するのが難しければ、タオルを巻いたものを腹にいれたり、段ボールのようなものを利用するのもいいと思います。

IMG_0156

とにかく座りっぱなしや、寝てばかりいる時間をできる限り少なくするのが、自宅でのリハビリの最大のコツになります。

セカンドセレクトでの往診では?

このブログでも何度かご紹介させていただいていますが、セカンドセレクトではまず、ご自宅でリハビリマッサージが出来るようにご指導させていただいています。

セカンドセレクトの看護師はリハビリケアのライセンスを保有していますので、割としっかりとした内容をお伝えすることができると思います。

また同時に鍼治療も定期的に取り入れていくことをお勧めしています。

ツボに鍼を刺入し、微量な電気を流す電鍼という方法を用いています。

時間は約10分程度です。

あわせてリンパマッサージを行うことも多いので、ご利用してはいかがでしょうか?

ちなみに鍼治療の料金は3000円、リンパマッサージは1000円程度です。

まとめ

定期的な鍼治療やリンパマッサージは老犬にとってとても有意義なことだと思います。

一方で通院をしないといけないという負担を考えないといけないことが通常です。

セカンドセレクトではもちろん院内にてこういった処置を行うことができる一方で、往診でも行っております。

特に今回の写真でご紹介しているような高齢の短頭種は、暑い気候や病院内で興奮しただけで呼吸が非常につらくなることもあります。

もし外に連れて行くことも負担になりそう、だけれど何かしてあげたい・・・こんなことを思ったら・・いつでもセカンドセレクトにお問い合わせ下さい。

2018-10-31

犬はとても活発的な生き物です。

その運動能力はめざましいものがあり、特に後肢の跳躍力は非常に強い能力を有しています。

その一方で激しい運動負荷に耐え切れず、ときおりびっこをひきだしては、飼い主様を心配させることもしばしばです。

後肢のびっこは犬では割とよく見られますが、その理由として最も一般的なのは前十字靭帯の疾患と言われています。

今回の記事では犬でよくみられる「前十字靭帯断裂」についてご説明したいと思います。

前十字靭帯って?

十字靭帯とは膝の関節に付着している靭帯です。

膝関節には数多くの靭帯が付着しており、それぞれが膝の動きを制御する役目を果たしており、この無数のストッパーによって膝は屈伸のみの単純な動きのみしかできなくなります。

関節の動きが一つの動きに集約されている分、その能力に特化した関節の形や筋肉の走行があるため、後ろ足にはすぐれた跳躍能力があります。

十字靭帯もそういった膝の動きをせいぎょする靭帯の1つです。

その名の通りひざの関節の中で十字に交差している靭帯で前十字靭帯と後十字靭帯に分けられます。

前十字靭帯は膝に付着しているほかの靭帯と同様、膝の関節が内転するのを防ぎ、また膝関節下の下腿骨が前方にずれるのを防ぐのがその役目です。

なぜ断裂するの?

前十字靭帯の断裂は一般的には大型犬に多く、中高齢のメス犬に多いとされていますが、加齢により、もともと前十字靭帯は負荷が慢性的に蓄積し虚弱化をしているのが一般的です。

ですので、どんな犬でも前十字靭帯断裂を起こすわけではありません。

こういった虚弱した靭帯を持った犬が、方向転換をするために後肢に負重をかけるような動きをすると、前十字靭帯に損傷が起こるとされています。

前十字靭帯を損傷する犬は、損傷してしまう何かの素因を持っているのが普通です。

実際に片側の前十字靭帯を断裂した犬は、かなりの確率で逆側の前十字靭帯も断裂します。

また前十字靭帯断裂という診断があったとしても、前十字靭帯のみが単独で損傷を受けていることはあまりなく、ひざの関節に付着する多くの靭帯が同時に損傷を受けていることが多いと言われています。

症状は?

前十字靭帯の損傷は、慢性的に進行している場合、最初のうちは症状はあまり顕著ではありません。

よく見るとどちらかの足に負重があまりかかっていないような歩き方をし始め、特に運動後にその症状が段々と悪化してきます。

さらに症状が進むと、ひざの関節が腫れぼったくなり、びっこの具合がとても強くなります。

またよくあるのが、何かの運動をしていたら突然、後ろ足を完全に挙上し始めるケースです。

飼い主様が異変に気付くのは、こういった完全にびっこを引き出してからが多いのですが、実際には段々と前十字靭帯にはダメージの蓄積が起こっているので、完全にびっこを引く前から何かしらの行動が見られることが多いと思います。

座り方の変化はわかりやすい変化だと思います。

違和感を感じる足の方を上にして、女の子座りをします。

また足を前方に投げ出して座るのもよくみられる変化なので、こういった変化が見られるようであれば、何かしらの損傷が後肢に起こっていると思った方がいいと思います。

治療法は?手術はするべき?

前十字靭帯を断裂した際に行うべき治療は色々ありますが、基本的には体重によって選択肢が変わってきます。

少し昔の統計になりますが、15㎏以下の犬であれば、前十字靭帯断裂は安静や鎮痛剤、もしくはギブスのようなちょっとした固定で十分回復すると言われています。

IMG_0624

実は一度切れてしまった靭帯をもとの状態に戻す方法はありません。

手術をしたとしてもです。

手術は色々な方法が考案されていますが、どの方法も基本的には膝の関節が前十字靭帯がなくても安定していられるように固定をしたり、骨の位置を移設したりするのがその方法です。

したがって体重が軽い犬の場合は、手術をしなくても膝の安定が得られやすく、1か月から3か月ほどで8割程度の犬がほぼ問題がないレベルまで回復します。

一方で体重が重い犬の場合は、やはり外科的な方法を用いて膝の安定性を得る必要があります。

セカンドセレクトでは前十字靭帯断裂の手術の方法はTPLOという方法をお勧めしていますが、残念ながらそこまでの手術を行う設備が整っていないため、専門病院へご紹介をしています。

これはあくまでも個人的なお話にはなりますが、この手術法はかなり専門性が高く、使用するインプラントなどもかなり高額になります。

手術にかかるご費用は病院によってかなり幅が出てきますが、できる限り飼い主様のニーズに合わせた病院をご紹介しておりますので、前十字靭帯断裂を患った大型犬の飼い主様がいらっしゃいましたら、いつでもお気軽にご相談下さい。

まとめ

前十字靭帯断裂の予防はとにかく太らせないこと。

そして休息を十分に取らせることです。

このブログでもたびたびご紹介しているサプリメントも予防効果としては高いと思います。

ちなみに前十字靭帯の断裂は触診ですぐ診断がつくことが多いのですが、触診の仕方にコツがあるので見落としも多い疾患です。

セカンドセレクトでは手術こそしませんが、前十字靭帯断裂の症例は数多くご対応させていただいております。

もし飼っている犬の後ろ足にびっこが見られたら・・・お気兼ねなくいつでもご来院ください。

2018-10-26

人間はとにかく背骨の病気が多い動物です。

理由は直立で立っていることが多いため、背骨にかかる負担が非常に大きいからと言われています。

この記事を読んでいる飼い主様ご自身の中にも椎間板ヘルニアなどを患っている方もいるかもしれません。

犬種によっても発生する確率は異なるのですが、犬も背骨の病気はよくみられるものです。

今回ご紹介したいのは背骨の病気のなかでも、老犬の健康診断で良く見つかる病気、変形性脊椎症についてご説明したいと思います。

変形性脊椎症とは?

脊椎というのは背骨の1つ1つの骨のことで、哺乳類は共通して頚椎が7個、胸椎が13個、腰椎が7個あります。

変形性脊椎症はその名の通り、その脊椎が変形する病気です。

老齢性の変化としてとらえられており、基本的には犬種によっても発生率は異なりますが、ほぼすべての犬種において年齢を重ねると出てくる症状です。

IMG_0125

変形した脊椎の個所は安定性が失われやすくなります。

たいていの場合は無症状なのですが、安定が失われた脊椎は時折炎症や痛みなどがでやすいため、背を丸めて歩いたり、触ると嫌な顔をしたりすることがます。

ぼく自身の経験上、老齢の日本犬のMIXや比較的体形が大柄な犬にみられることが多く、また体の真ん中あたりの脊椎で発生することが多いと思います。

安定性がさらに失われると、椎間板ヘルニアのような神経麻痺がおこります。

変形が起こる場所が体の真ん中あたりなので、出てくる症状はたいてい後肢の異常になります。

ただ、ミニチュアダックスのような後肢の完全麻痺を起こすような強い神経症状が出ることは少なく、どちらかというと足をぴんと投げ出して座ったり、ロボットのように突っ張って歩くようになることが多いと思います。

セカンドセレクトの対応法

一般的には老齢犬に多くみられるため、無症状であれば様子を見ていただくことがほとんどです。

痛みがありそうなときにのみ、鎮痛剤を処方することもありますが、安静にしていれば治まることも多く、頓服のような形で使用していただくことが多いと思います。

歩行に異常がみられる場合は、以前からこのブログでご紹介しているω3製剤のサプリメントを服用していただいています。

無題

ただ、歩行に異常が見られる老齢犬は、後肢の、筋量の衰退が激しいので、リハビリを積極的にご相談しています。

セカンドセレクトでは鍼治療のほか、リハビリを目的としたリンパマッサージなどを行っております。

往診でも行うことは可能です。

特に移動の難しい高齢犬で、同様のお悩みをお持ちの飼い主様はぜひともご相談ください。

IMG_1510

手術は基本的にはあまりお勧めしていません。

胴長短足で重心の取りやすいミニチュアダックスと違い、変形性脊椎症を患っているほとんどの症例は中型犬であり、重心のバランスが非常に取りにくいことが多いからです。

特に脊椎の固定は、術後に神経麻痺が一過性に悪化することが多く、そこからの回復はミニチュアダックスのそれに比べると非常に困難というのがぼくの意見です。

もし手術をご希望であれば、セカンドセレクトで行うことも可能ですし、状況に応じては専門病院をご紹介することもありますので、どちらにせお気軽にご連絡ください。

まとめ

昔の元気なころに戻してあげたいというのは、高齢のペットを飼っている飼い主様であれば一度は思ったことがあると思います。

ただ現実は元に戻す方法はなく、年齢に応じたケアをしてあげるのが、動物にとって一番誠実な医療になるだろうと思います。

鍼を代表とする様々な理化学療法がありますので、お気兼ねなくご来院ください。

2018-10-22

犬は体温調節の機能が人間より劣っています。

人間は汗による気化熱で体温を主に調節していきますが、犬の場合は汗腺がないため、おもにパンティングで体温を調整します。

舌を出し、はぁーはぁーと呼吸する姿は時に息苦しく見える場合もあり、その回数は1分間に300回を超えることもあると言われています。

パンティング自体は犬が元来持っている自然のものなので特に問題はないのですが、その呼吸音が異常なものになることがあります。

特に今回ご説明しようと思っている「気管虚脱」は老齢の小型犬に多く、重度の症状をわずらうと常時アヒルが鳴いているような呼吸音になります。

今回の記事では、気管虚脱における、原因、症状、治療などをご説明したいと思います。

気管虚脱はなぜなる?

気管虚脱はポメラニアンやトイプードルを代表とした小型犬でよくみられる疾患です。

気管支は硬い軟骨と軟らかい膜とが交互に蛇腹のように組み合わさってできています。

14577654000_cc653ef2d2

こういった小型犬が高齢になると、硬い軟骨部分が変形し、きれいな円形からひしゃげた平らな形になり、気道の径が狭くなります。

この変形は、加齢によるものだけでなく、肥満やよく吠えるなどの生活習慣も絡んできます。

気管支が狭くなると、簡単にひと呼吸で取り込める空気が簡単にできなくなるため、色々な症状が出始めます。

気管虚脱になったら

最初のうちはほぼ無症状なのですが、段々と空咳が多くなっていきます。

狭くなった気管支では空気が通常よりも早く流れるため、その場所では常に気管支が乾燥し、痰が絡みやすくなるからです。

IMG_0110

最初は軽い発咳なのですが、段々と症状は悪化し、通常の治療では反応しなくなります。

さらに症状がすすむと、普段でも呼吸困難になり、呼吸のたびにがーがーとアヒルがない多様な呼吸になるほか、常に下の色が悪いなどといった換気不全になることもあります。

IMG_0115

また、犬はパンティングで体温を調整していくのですが、重度の気管虚脱になると、パンティングによる体温調整も困難になるため、特に暑い日でなくても熱中症になったりします。

経験上、少し肥満気味のポメラニアンには多いので、高齢のポメラニアンを飼っている犬では注意が必要です。

治療法は?

基本的には気管支拡張剤を主体とする投薬治療が基本になります。

気管支を拡張させる外科手術もありますが、再発性が高いのと、気管支が細くなっている場所によっては適応不可能なこともあるので、あまり一般的ではないかもしれません。

セカンドセレクトでは、一般的な気管支拡張剤のほか、中枢性に発咳抑制効果がる鎮咳薬を用いて治療します。

また、頓服で使用していただく鎮咳薬なども処方します。

ですが、それでも根治は難しく、また維持管理もなかなか難しいケースもあり、自宅でレンタル簡易酸素室を用意していただくこともあります。

IMG_1824

特に高齢な肥満傾向の犬にこの病気は多いため、簡単に換気不足からくるチアノーゼになることもあり、通院の負担も非常に多いため、セカンドセレクトでは犬の状況によっては往診をお勧めする場合もあります。

まとめ

自分の家の愛犬が、寝苦しそうに息苦しく過ごしている姿を見るのは本当につらいことだと思います。

セカンドセレクトでは一般的な治療に加え、往診での診察も可能ですので、できる限り苦しい思いをしている犬への治療の負担は最大限に減らすことができると思います。

もしご自宅の愛犬に気管虚脱の傾向があるようであれば・・いつでもお気兼ねなくご相談ください。

2018-10-18

細菌やウイルスに感染を起こした場合、出てくる症状は感染した部位によって異なります。

腎臓に感染を起こせば腎不全、肺に感染を起こせば肺炎、皮膚に感染を起こせば皮膚炎など、名称も変わってきます。

細菌は状況によってはどこにでも侵入することができるので、見た目で感染を起こしていることが容易にわかるケースもあれば、わからないこともよくあります。

特に体の深部で感染を起こしている場合は、検査を行い診断をつけていくのですが、しばしば診断が難しいケースもあります。

今回はそんな体の深部で感染を起こす病気、椎体炎についてご説明したいと思います。

椎体とは?

一般的に背骨は頚椎、胸椎、腰椎で分かれています。

椎骨の数はそれぞれ頚椎が7個、胸椎は13個、腰椎は7個あります。

椎体とは一言で言えば背骨の一部分の名称で、主に椎骨の下側の部分になります。

IMG_0094

椎体は前後の椎骨と強い靭帯で結ばれており、背骨を安定化させる役目を担っています。

椎体炎とは?

椎体炎は椎体に何らかの原因で最近の感染がおこることによって発生します。

感染経路を調べることはできないことが多いのですが、尿路感染やほかの場所で感染を起こしたものが拡大して起こるとされています。

椎体炎の症状としては、特に若い大型犬で起こることが多く、活動性が落ち、散歩に行くのを嫌がるとか、背中を触られるのを嫌がる、熱っぽくなるというのがその症状としてあげられます。

その他食欲が低下するなどありますが、顕著な症状はないことが多く、しばしば診断に迷うことが多いと思います。

dog-labrador-retriever-black-lab-labrador-retriever-1

検査の方法

レントゲンなどを撮って確定診断できることはあまりありません。

背中を押すと嫌がるような症状があり、血液検査などで炎症反応が強まっていれば椎体炎を疑うっていきます。

詳しく調べるのであれば、MRIを撮ることによって椎体の炎症を確かめることになりますが、感染を起こしているのがあくまでも体の深部なので、そこから細菌を分離することは非常に難しいと思います。

個人的には基本的な検査は実施しますが、犬種と年齢と症状で試験的に治療をすすめていくことがほとんどです。

治療について

治療は抗生剤を2か月程度服用し、炎症反応が落ちつくまで確認します。

治療に対する反応性は割といいとは思いますが、中には再発を繰り返したり、炎症が広がり神経症状が出た場合には後肢に後遺症が残るケースもあるので、早めの治療の開始が必要だと思います。

まとめ

小型犬の背中の痛みと大型犬の痛みは、原因が違うことが多いと思います。

大型犬の場合、安易にステロイドなどを使用すると思わぬ弊害を引き起こします。

飼っている大型犬が少し動きが悪いかもと思ったら・・・一度ご相談ください。

2018-10-17

年を取ると多くなる病気は色々あります。

ペットも高齢社会と言われるので、以前よりも中高齢以降の病気が多くなったのは自然な流れかもしれません。

特に日本では、大型犬よりも小型犬の方が飼育頭数が多いため、高齢な小型犬に起こる病気の診察はどこの動物病院でも力を入れていると思います。

今回ご説明したいのはそういった病気の中でも、もっともよくみられる心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」です。

僧帽弁閉鎖不全症は色々なサイトでご説明があると思いますので、今回はセカンドセレクトで行っている僧帽弁閉鎖不全症についてご紹介したいと思います。

僧帽弁閉鎖不全症はなぜなるの?

哺乳類の心臓の中は4つの部屋に分かれています。

それぞれの部屋の出口には、血液が逆流してしまうのを防止するための弁があります。

下のURLは、ぼくが飼い主様に説明をするときによく使う動画です。

全編英語なのですが、視覚的によくわかるので一応リンクを張っておきます。

僧帽弁は心臓の中にある血液の逆流防止弁の一つで、大動脈に血液を効率的に送り込むために心臓内で発生する圧に負けないように、靭帯が直接心筋に付着しています。

この靭帯は非常に強固なのですが、年齢を重ねてくると、心臓内で発生する強力な圧に負けてしまい切れてしまうことがります。

靭帯による支えがなくなった弁はしっかりと閉鎖することが出来ずになってしまうため、心臓内で血液の逆流が発生します。

一般的に心臓は非常に強い筋肉の力で血液を押し出しているので、逆流した場合にかかる圧力も非常に強くなります。

心臓自体で発生した不正な圧力によって出てくる症状が、僧帽弁閉鎖不全症と呼ばれるものになります。

症状はどのように進行していく?

心臓内で発生した圧力はまず心臓の形を変えていきます。

心臓の変形は心肥大と呼ばれ、肺と心臓をつなぐ部位の肥大がとても顕著になっていきます。

IMG_0088

心臓にかかる圧力は心臓そのものよりも、血管でつながっている肺の方へも広がっていくため、段々と呼吸器の症状が目立つようになります。

最初のうちは運動を嫌うとか、散歩の途中で座りやすくなるといったような微妙な症状から始まり、咳が多くなる、パンティングが激しくなるなど、見た目でもわかりやすい症状に発展します。

心臓はいくら肥大しても、人のように心筋梗塞でみられる心筋の急性の壊死は見られず、先に症状が出るのは肺になります。

したがって、さらに症状が進んだ場合、肺に水がたまる肺水腫と呼ばれる症状になり、多くの場合呼吸不全により死亡するケースがほとんどです。

肺水腫になった犬は下の色がとても悪く、鼻から透明もしくは血様の鼻水をたらし始めることが多く、呼吸も非常に荒いのが特徴です。

突然そうなる場合もあれば、だんだんと寝ているときの呼吸の回数が増え息苦しそうにしている症状が強まってそうなることもあるので、特に年を取った小型犬を飼っている方は意識して観察した置いた方がいいと思います。

43153097771_1342a941f7

治療法は?

人間が僧帽弁閉鎖不全症を患った場合、真っ先に頭をよぎるのは心臓外科手術になります。

一方で犬の場合は投薬が一般的な治療法となります。

この違いは、犬の心臓外科手術を行える病院は今のところ全国で1件しかないので、そういった技術的な問題点があるほか、人間と犬の寿命の違いが多く関係してきます。

人の僧帽弁閉鎖不全症は一般的には奇形によって発生するため、若年層で病気が発覚します。

したがって人間のような長い一生を送るためには、投薬のみでは非常に困難であるとされています。

理由は数ある心臓病の薬のすべてが、心臓を治すわけではなく、血圧を下げたり、利尿を促したりして心臓にかかる負担を軽減してあげるものばかりです。

ですので心臓の薬は飲み忘れなく適切に飲んでいても、心臓は少しずつ悪化していきます。

2435318762_66cf458ab7

犬の場合は、もともと人間ほど寿命が長くないうえ、僧帽弁閉鎖不全症はある程度高齢になって発生します。

したがって投薬のみでも十分な余命が相対的に期待できるため、投薬が一般的な治療となるわけです。

セカンドセレクトでは様々な心臓薬を処方しながら、できるだけ穏やかに生活が送れるように治療していきますが、それでも投薬は一生になるため、それなりの医療費はかかると思います。

5㎏程度の小型犬の場合、症状がそれほど進んでいない場合は1か月で4000円程度ですが、ある程度症状が進むと10000円程度になることもあります。

症状が各部位に広がり、色々な薬を使用しないといけない場合は、月額で4万円程度の料金になることもまれにあるので、飼い主様と毎回相談しながら進めていくことになります。

治療や検査、料金など。

そうは言いつつも、異常が見つかったら即治療というわけでありません。

ちなみに僧帽弁閉鎖不全症は基本的に聴診で割と簡単に発見することが出来ます。

雑音が発見されたからと言っても、すぐに治療が開始されるわけではありません。

一般的なガイドラインでは、僧帽弁閉鎖不全症の投薬治療の開始はレントゲンやエコー検査で心肥大が一定以上進んだら開始されます。

したがって、心臓に異常が見つかった場合、定期的にレントゲンとエコー検査はしておいたほうがいいと思います。

レントゲンでは心肥大の程度や、肺にある血管の太さなどを見ていきます。

IMG_0084

エコー検査では心肥大の程度や収縮力、心臓の中を流れる血液の速さなどを計測し、どの薬を使用するかのタイミングを計っていきます。

IMG_0082

やみくもに心臓薬を乱発すると、心臓自体にも当然悪影響を起こすだけでなく、腎臓に大きな負担をかけるためです。

したがって、心臓薬の増量とともに、血液検査によって腎臓の機能を定期的にチェックをしながら治療をす済めて行きます。

レントゲンは5000円、エコー検査は3000円、腎臓の血液検査は4000円程度かかります。

また血圧の測定や心電図なども必要に応じて行います。

犬の症状にもよりけりですが、セカンドセレクトではおおよそ1か月から3か月に1回のペースで検査行うことをお勧めしています。

まとめ

僧帽弁閉鎖不全症は犬で起こる一般的な病気の一つです。

どの病院でもそれなりの治療を行うことができるため、病気になったからすぐに大きな病院に駆け込む必要はあまりないとは思います。

もし自分の飼っている犬の心臓が実際どうなんだろう・・・と心配になったら、いつでもお気軽にご相談ください。

2018-10-11

人間は視覚から得る情報は非常に多いとされます。

2つの目で視点を合わせることにより、目標物との距離感を正確に識別することができ、また色の種類や濃淡に対しても他の動物に比べると非常に敏感です。

そのため裸眼の状態でいると、目の良い人、目の悪い人では、日常的な能力にも差が出てくることは多いと思います。

一方、ペットでは視力を測るのは困難であり、目が良い、悪いを客観的に測ることはできません。

特に犬はもともと視力が弱い動物と言われており、犬種によっては白内障が好発するため、老齢期の視覚は非常に衰えていることがよくあります。

ところが今回ご紹介する病気、進行性網膜萎縮症は、年齢に関係なく、また白内障とも関係なく発生し、しばしば飼い主様を悩ませます。

記事を読んでみて、少し気になった方はいつでもお問い合わせください。

犬の目が見えなくなるとどんな症状になる?

先ほども書いた通り、犬はあまり視力も強くなく、また紫色と赤色に近い色ははっきりと識別できません。

したがって普通の犬でもテーブルの脚に当たったり、少し離れた飼い主様を判別できなかったりすることがあります。

視力が多少落ちた程度では日中の行動はほとんど変わりません。

7092417279_493d577652

一方で夕方から夜にかけての散歩や、薄暗い部屋での行動は段々と消極的になっていくこともあります。

いよいよ視力が低下していくと、障害物にやたら当たるようになりますが、このあたりで飼い主様が異変に気付くことがほとんどです。

また犬によっては、目の前のものに対しての警戒心が強くなり、食事などもかなり近づけてにおいを確認してから食べだしたり、いきなり顔周りに手をかざすと、咬もうとするような犬もいます。

進行性網膜萎縮症とは?

進行性網膜萎縮症は、その名の通り、目の奥にある網膜の神経が緩慢に委縮して、機能が失われていく病気です。

ミニチュアダックスに多く発生し、年齢も割と若い段階から発生することが多くあります。

9588586697_575bc80504

症状の進行は非常に緩やかなため、最初のうちは「少しどんくさい犬」という感じで過ごしているのですが、じょじょに視力が低下すると、症状が目に見えて出てきます。

残念ながら遺伝的な要因とは言われていますが、詳しい発生原因はわかっていません。

検査法や治療法

検査の方法は眼底鏡と言う器具を使用して網膜を観察することによって診断します。

セカンドセレクトでも眼底鏡はあるので、進行性網膜萎縮症の診断は可能ですが、初期段階から中期まではより解像度の良い眼底鏡が必要なため、早期の段階から確定診断をつけるのであれば、専門病院をご紹介しています。

16599025801_eda8085923

ただ、残念ながら治療法はありません。

月並みな話で言えば、できる限り部屋の家具の位置をずらさないとか、よく声をかけていただくなどの工夫しかありません。

先ほども書きましたが、視力の低下とともに、犬の性格が攻撃的になる仔もいますので、できる限りの信頼関係が維持できるように、付き合っていただくことが先決だと思います。

セカンドセレクトではそういった問題行動等が相談できる専門のペットカウンセラーの診療も行っていますので、いつでもご相談ください。

14383199121_01030f568f

まとめ

世の中には不治の病というものは色々ありますが、この進行性網膜萎縮症のようにじょじょに進行し、見守るしかない病気は非常に悔しい気持ちになります。

少しでも飼い主様と犬の負担が減るようなご協力が何かしらできるかと思いますので、お気軽にご相談ください。

2018-10-07

ペットというのはいきなり何をやらかすか想像がつかない時もよくあります。

人間の子供も一緒だとは思いますが、やたらなんでも口に入れるのが好きで、知らず知らずのうち飲み込んでしまうことがあります。

その場で見ていればすぐに対応できるのですが、留守番させている時など一人にさせているときには、無くなったものがあったことが解ってから初めて「何か飲んだのでは?」と気づき始めます。

実際、何か飲んだかもと言って来院する飼い主様もよくいらっしゃいます。

レントゲンを撮ると胃の中に何かある・・・。

今回の記事では胃の中に異物が見つかった時の対応についてご説明したいと思います。

まず慌てない

living-room-facilities-live-decoration-1

まず飲み込んだと思っても慌てないでください。

その理由としては、飲み込んだと思っても実際に飲みこんでいないことがかなり多いからです。

何か飲み込んだかもと思い、すぐにレントゲンを撮りに来る飼い主様はかなり多くいらっしゃいますが、その大多数は未遂で終わっており、数時間から数日後に飲み込んだかもと思っていたものが出てくることがよくあります。

まずは慌てず部屋の中を探索しましょう。

もし本当に異物を飲み込んでしまい、胃の中に異物があったとしても、これも慌てる必要がありません。

実際、胃内に異物があったとしても症状はほとんど出ませんので、どんな方法をとっていくかはじっくり考えてもいいと思います。

レントゲンで映るもの、映らないもの

何か食べられたかもという時に真っ先に行う検査はレントゲンです。

ただしレントゲンは胃の中の内容物をはっきりと映し出すことはあまりありません。

硬いもの、金属製のものであればはっきり映るのですが、ゴム製のおもちゃや鳥の骨などは角度によってははっきり映りません。

IMG_0011

ひも状の異物や猫でよくある毛玉はほぼ描写されることはありません。

ですので、異物が疑わしいのにもかかわらず、レントゲンに描写することができない場合はバリウムを行います。

ただし、猫はバリウムをよく誤飲し、気管や肺内にバリュウムが残留することがよくあります。

自覚症状は出ることはあまりないのですが、気持ちのいいもではありませんので、バリウム検査のリスクの一つと考えていただくといいと思います。

催吐処置について

食べた異物が吐き出しそうなものであれば、吐きだせるというのが一つの方法になります。

以前は食塩を無理やり飲ませていた獣医師もいたのですが、胃が強く荒れたり、中毒を起こすことがあったため、最近ではほとんど使用しません。

薬用のオキシドールを少量飲ませても吐くので、簡易的にその方法を用いるか、ある種の止血剤を静脈注射をするとよく吐き出すので、一般的にはこの2つの方法のどちらかをとります。

無題

セカンドセレクトでも同様の方法を用いますが、吐かせた後の胃炎や吐かせた後に余計にぐったりすることもあるので、催吐処置を行う際は細心の注意を払う必要があります。

また猫は中々吐かせようと思ってもなかなか吐きません。

猫の胃内の異物は別の方法をとった方がいいと思います。

内視鏡の実際

内視鏡は全身麻酔下で行うのですが、切開せず行うことができるため、動物に対しての負担を極力抑えながら異物を摘出することが出来ます。

ただし、内視鏡でとれる異物は、限定されており、意外と内視鏡下で異物がすっきりととれることは多くはありません。

大した大きさではないものも、胃の入り口から取り出せないことも多くありますし、鉗子などでつかめないこともよくあります。

とはいいつつも手術よりは負担が少ないことは確実ですので、胃内に異物が確実にあるということが解っているのであれば、一度は試してみてもいいと思います。

16088522030_2e3069a6b1

ぼく自身は内視鏡の経験は多数ありますが、現在セカンドセレクトでは内視鏡がないため、実施することはできません。

内視鏡のある施設にご案内いたしますので、ご希望があればいつでもご相談ください。

胃切開手術

胃内に異物があった場合、最も一般的な対応法だと思います。

手順としてはあまり難しい手技を必要とはせず、開腹し胃を腹腔から持ち上げ小切開をいれます。

IMG_0039

異物を摘出した後は内側と外側を2層に分けて縫合します。

IMG_0041

セカンドセレクトでは多数の執刀経験がありますので、いつでもご対応は可能です。

小型犬であれば3日から1週間の入院で、ご費用は12万円から20万円になります(状態によります。)。

予後は比較的良いものが多いので、退院後はそれほどの看護は必要ないと思います。

こんなものを飲み込んだ場合は?

番外編として何か飲み込んだ時の対応法を以前のブログでも紹介していますので、もしよければご参考にしてみください。

犬が何か飲み込んだ!!どうすればよいのか、往診医が答えます!!

まとめ

異物を飲み込まれる事故は、動物病院に緊急的に来院する理由のなかでも比較的多いものだと思います。

対応法は獣医師によっても、動物病院によってもそれぞれだと思います。

どんな対応法がいいのかは飼い主様にとってはよくわからないこともあるかもしれませんが、できる限りペットに負担がかからない方法をご相談していきたいと思いっていますので、留守中などに「?」ということがもしあれば、いつでもご相談ください。

2018-10-04

一口に犬と言っても色々な品種がありますが、獣医師として犬の品種を覚えるのは結構重要なことです。

その一つの理由として、犬の品種によってなりやすい病気があるからです。

経験のある獣医師であれば、原因がわからないのにもかかわらず犬の調子がすぐれないときには、その品種によって好発する病気を疑い、検査治療を開始することが多いと思います。

そんな数ある病気の中から今回ご紹介させていただく病気は悪性組織球種というものです。

普通の犬種を飼っている飼い主様にはあまりなじみのない腫瘍の名前かもしれませんが、バーニーズマウンテンロックという超大型犬を飼っている飼い主様であれば、切っても切り離せない名前かもしれません。

もしバーニーズをこれから飼う、もしくは飼っている飼い主様がいらっしゃいましたら、参考にしてみてください。

悪性組織球種とは?

その名の通り、組織球という血液の細胞が悪性化した腫瘍です。

血液の細胞と言っても他の細胞と少し違い、血管の外での感染防御を担っている細胞です。

腫瘍が発生する場所は、脾臓や肝臓などと言った内臓諸臓器以外にも肺や皮膚、神経などにも発生します。

IMG_0013

治療法、予後

悪性組織球腫は極めて予後が悪いものです。

進行も非常に早く、また体のいたる場所でも発生するため、腫瘍のために引き起こされる2次的な症状は様々なものがあります。

神経に起きれば四肢の麻痺が起きますし、肺に発生した場合は呼吸困難を伴います。

レントゲンやエコー検査により簡単にわかる場合もありますが、バーニーズはもともと体格も大きく、一般の院内で行える検査でははっきりとわからないケースもあるため、CT検査を実施する場合もあります。

ただしこの場合は全身麻酔を使用するため、リスクを伴うこともあり、しばしば飼い主様を悩ますことになります。

外科的に摘出できる場合は摘出したのち抗がん剤を使用するのが一般的ですが、先にもご説明した通りその予後はとても悪く、あまり有効な治療にならないことがほとんどです。

セカンドセレクトではどうするの?

悪性組織球種と診断がついたのち、セカンドセレクトではいくつかの方法を飼い主様にご提示いたします。

ぼく自身はあまりお勧めはしないのですが、一般的な化学療法、つまり抗がん剤が一つの方法です。

ただし大型犬の場合は様々な副作用が小型犬よりもついて回る問題なので、場合によっては専門病院をご紹介させていただくこともあります。

別の方法としては免疫療法として、いくつかの薬剤を使用します。

一般的には代替療法と呼ばれるものに近いのですが、漢方というよりは薬剤を使用していきます。

効果の判断は難しいところなのですが、副作用があまり出ないため、気軽に進められる治療ではあります

pic10

また個人的によくご提示する方法としては、分子標的薬を使用する方法です。

分子標的薬のみで行うケースもあれば、マイルドなタイプの抗がん剤を低用量で併用することもあります。

こちらも決して確実なエビデンスを得られているわけではありませんが、一定の効果を得られることもあります。

しかし、攻撃的な抗がん剤にに比べても目に見える副作用がでるため、途中で投薬をやめざるを得ない飼い主様も多くいらっしゃいます。

特にバーニーズは体格の割には食べが悪い場合も多く、分子標的薬の副作用の一つである食欲不振が目に見えて出るので、他の犬種に比べると副作用が早めに出ることが多いと思います。

bernese-mountain-dog-sitting-waiting-nature-dog

またこれらの治療は大型犬のため、薬剤代が小型犬に比べ非常に高価なため、費用対効果でみるといまいちなのかもしれません。

もちろんお金がすべてではないと思いますが・・・・。

まとめ

どんな方法をとったとしても、割と早い段階で状態を崩すことがほとんどです。

歩けなくなった、立てなくなった大型犬の通院や自宅での介護はかなりの労力を要します。

セカンドセレクトでは往診も行うことが出来ますので、できる限り飼い主様のご負担が軽減し、癌を患った犬たちに寄り添った利用ができると思っています。

この記事を読んで少し気になった方は、ご相談だけでも構いませんのでいつでもご連絡ください。